<栄養素を無駄なく摂る食べ方:果物編>

パパイヤは中南米原産と言われるパパイヤ科の常緑高木です。16世紀の大航海時代にスペインの探検家が発見し、その後、熱帯地域に広まったと言われています。別名「木瓜(もくか・もっか)」または「乳瓜(ちちうり)」ともいい、傷をつけると白い液体が出て来ます。日本には明治時代に伝えられ、沖縄や九州南部、小笠原諸島など温暖な地域で栽培が始まりました。広く出回るようになったのは、輸入が解禁になった1968年以降です。国産品は栽培量が少なく、流通しているもののほとんどが輸入品です。

完熟果

未熟な果実はグリーンパパイヤ、青パパイヤと呼ばれ、サラダや炒め物など野菜のように使われます。種がなく、中心が空洞になっているものもありますが、これは受粉せずに結実したものです。

未熟果

パパイヤは追熟します。購入後すぐに食べるのなら完熟のものを、数日後に食べるのなら黄緑色の部分が多いものを求めましょう。

果皮にツヤがあり、ずっしりと重い物が良品です。果皮がしわになったものや、乾燥しているものは鮮度が落ちている可能性があります。

未熟果は、果皮に傷がなく青々として、白い粉(ブルーム)のついているものが新鮮です。ずっしりと重みを感じるものの方が空洞は少ないです。

主な栄養素と無駄なく摂るコツ
パントテン酸、葉酸、ビタミンC、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、食物繊維などが多く含まれています。それに加えて未熟果にはポリフェノールが、完熟果にはβカロテンが豊富です。未熟果、完熟果ともに抗酸化作用があります。

パパイヤには「パパイン」というタンパク質分解酵素が含まれています。未熟果に多く、熟すにしたがって減っていきます。パパインには肉をやわらかくする効果や、消化を助ける効果がありますが、ゼラチンでゼリーを作る時に生のまま加えると固まりません。

完熟果は半分に切って種を除き、スプーンですくって食べたり、皮をむいてくし型やサイコロ状などに切り分けて食べるのが一般的です。未熟果は種と皮を除いた後、千切りなど用途に応じたサイズに切り、水にさらしてアク抜きしてから使います。皮膚の弱い方は、未熟果を調理する時にパパインによって手荒れすることがあるので注意が必要です。

盛り付け例。種の部分に入っているのはカットしたレモン。搾って食べるとおいしい

生薬としても使われています。「番木瓜(ばんもっか)」といい、皮膚炎や浮腫に用いられます。また、化粧品の原料にもなっています。

葉はカルパインというアルカロイド(有害成分)を含みますので、食用にはできません。

期待される健康効果は、風邪予防、ガン予防、消化促進、貧血予防、美肌効果、生活習慣病予防、骨粗鬆症予防、腸内環境改善などです。

保存するなら
黄緑色の部分が多いものは、常温で直射日光の当たらない風通しの良いところに置き、追熟させます。冷蔵すると追熟が止まり、低温障害を起こすことがあります。冷蔵する場合は一つずつ新聞紙に包んでからポリ袋に入れ、野菜室で保存します。

食べ頃になると果皮の色が濃くなり、弾力を感じ、特有の芳香を感じます。食べ頃になったら早めに食べましょう。冷やす場合は食べる少し前に冷蔵庫に入れます。

まったりとした食感はなくなりますが、冷凍保存が可能です。食べやすい大きさに切って保存用袋に入れて冷凍します。利用するときは半解凍でそのまま食べたり、凍ったままジュースにしたりしても良いでしょう。1カ月ほどで使いましょう。

ドライにする場合は、スライスして様子を見ながら電子レンジで乾燥させます。天日干しする場合は、虫が付かないように網に入れるなど気を付けてください。乾燥したら保存袋に入れ、冷蔵庫で保存します。3週間ほどで食べましょう。

未熟果は一つずつ新聞紙などに包み、乾燥しないようにポリ袋に入れて冷暗所または野菜室で保存します。1週間ほどで食べましょう。

冷凍する場合は、千切りにして水にさらしアクを抜き、しっかり水けをきってから保存袋に入れて冷凍します。カチカチに凍る前にばらばらにしておくと、使うときに便利です。1カ月ほどで使いましょう。

【管理栄養士・高木小雪】