<栄養素を無駄なく摂る食べ方:ハーブ編>

オレガノはシソ科の多年草で地中海沿岸が原産と言われ、ヨーロッパからアジアにかけて広く自生しています。ワイルドマジョラムとも呼ばれ、和名を「花薄荷(ハナハッカ)」と言い、日本には江戸時代に伝わったようです。

古代ギリシャ時代から食用、薬用として、また、古代エジプトではミイラ作りにも使われていました。独特の清涼感がある刺激的な香りで苦味があります。オレガノに含まれる香気成分は揮発性が低いため、ドライにした方が強く香ります。フレッシュでも利用されますが、使い勝手が良いこともあり、ドライで使うことが多いですね。

肉や魚の臭み取りや香り付けに利用され、トマトやチーズとの相性も良いです。ドライのオレガノは風味がとても強く、入れすぎるとオレガノの味しかしなくなりますので、様子を見ながら少しずつ入れます。他のハーブとブレンドして使うのもおすすめです。

葉が濃い緑色で、葉先までみずみずしいものを選びましょう。

主な栄養素と無駄なく摂るコツ
オレガノはビタミン、ミネラルが豊富ですが、苦味もあり一度に食べる量はあまり多くありません。注目されるのはファイトケミカル(フィトケミカル)です。ファイトケミカルには香気成分や色素成分、苦味、辛味などがあります。

オレガノのファイトケミカルには強い抗酸化力、殺菌力をはじめ、抗炎症、鎮痛、消化促進、解毒、強壮、発汗など様々な作用があります。

ハーブティーにすると呼吸器系や消化器系に効果があると言われます。咳が出る時はうがいに使うと鎮まります。食べ過ぎや乗り物酔いには飲むと良いです。

歯痛の時はフレッシュの葉を噛むと、一時的に痛みが和らぐそうです。

薬湯は皮膚から薬効成分が吸収されます。肩こり、筋肉痛、神経痛、疲労回復、ストレス解消にも効果があります。

「牛至(ギュウシ)」と言う生薬としても使われています。殺菌、鎮痙、発汗促進、健胃、子宮刺激、去痰などの作用があり、風邪やインフルエンザ、消化器疾患、乗り物酔い、頭痛、生理痛、肩こり、筋肉痛などに適応されます。

オレガノの香気成分には、ペニシリンなどの一般に処方される抗生物質と同じように、病原菌を死滅させる力があるとの研究結果があります。刺激性が強いので、多量摂取は避けた方が良いでしょう。特に妊娠している方はお気を付けください。

期待される健康効果は、風邪予防、ガン予防、鎮痛、消化促進、疲労回復、生活習慣病予防、免疫力向上、デトックス、アンチエイジング、精神安定などです。

保存するなら
保存する場合はキッチンペーパーに包んでからポリ袋に入れ、野菜室に立てて保存します。水で湿らせたキッチンペーパーを根元に当てておくと鮮度が保てます。グラスに水を入れて生けておくこともできます。

すぐに使わない場合はドライにするのがおすすめです。風通しのよい場所につるして1~2週間干すか、電子レンジを利用します。電子レンジでは焦げることがあるので、数十秒ずつ様子を見ながら行ってください。乾燥させたら密閉できる瓶や缶に入れ、常温で保存します。乾燥剤を入れておくとよいでしょう。

【管理栄養士・高木小雪】