<栄養素を無駄なく摂る食べ方:野菜編>

マッシュルームは英語で、キノコ全般を指します。いわゆるマッシュルームはハラタケ科のキノコで、フランス語では「シャンピニオン」、和名を「作茸(つくりたけ)」と言います。

日本にマッシュルームが入ってきたのは明治初期で、大正になってから本格的に栽培されるようになりました。ほとんどが缶詰や水煮に加工されていましたが、最近ではフレッシュのものが出回るようになりました。

マッシュルームは、古代ギリシャ時代から食用にされてきた「ハラタケ」のうち、丸いボタン型になるものを選んで栽培するうちにできたとされる人工栽培種です。16世紀頃フランスで作られていたそうです。和名の由来は人の手で作られたキノコだからとも言われています。原種はブラウン種で、ホワイト種は変異によってできたものです。現在はホワイト種、オフホワイト種、クリーム種、ブラウン種の4種類があります。

ホワイト種(左)とブラウン種

ホワイト種系は生でも食べられます。ほのかな香りとまろやかな味わいが特徴です。ブラウン種に比べて日持ちはしません。

ブラウン種系はうま味、香りが強いので加熱用として好まれます。肉質が締まっていて収縮しにくいので、加工品や煮込み料理に向いています。加熱するとうま味が増します。

ジャンボマッシュルームは種類の違いではなく、大きくなるものを見極めて周囲を間引き、カサが開くまで大きく育てたものです。

ホワイト種、ブラウン種ともに軸が太く、切り口の変色がないもの、カサが開きすぎておらず、表面がすべすべして乾いているものを選びましょう。水分がにじんでいるもの、カサの部分が変色してやわらかくなっているものは鮮度が落ちています。

成熟するとカサが開いて裏のヒダが褐色になります。うま味成分が増えており、傷んでいるわけではありませんので、加熱して食べることができます。

主な栄養素と無駄なく摂るコツ
マッシュルームには、タンパク質、ビタミンD、ビタミンB2、B6、カリウム、食物繊維などが多く含まれます。ビタミンDは腸管からのカルシウム吸収や骨の形成促進、ビタミンB群はエネルギー代謝と皮膚や粘膜の健康維持、カリウムは体内のナトリウム濃度を調整し、血圧を正常に保つ働きがあります。食物繊維は整腸作用があり、腸内の老廃物やコレステロールなどの排出を促します。

キノコの中ではタンパク質が多めで、タンパク質の代謝を助けるビタミンB6も含むため、運動後の摂取におすすめです。カルシウムの吸収率アップも望めるため、クリームシチューにマッシュルームは良い組み合わせです。

日が経つとうま味が薄くなる食品が多いですが、マッシュルームは遊離アミノ酸が増えてうま味が増します。うま味成分は冷凍することにより細胞から出やすくなるので、生食する以外は一度冷凍してから使うことをおすすめします。

期待される健康効果は、疲労回復、口内炎の改善、生活習慣病予防、ガン予防、便秘改善などです。

保存するなら
生で食べる場合は、なるべく早く使いましょう。洗うと傷みが早くなるので、湿らせたキッチンペーパーなどで汚れや土を取り除きます。保存はキッチンペーパーで包んでから、乾燥しないようポリ袋に入れて、冷蔵室(2~5℃)に入れます。

冷凍する場合は、石づきと汚れを取ってスライスし、保存袋に入れて冷凍します。レモン汁をかけておくと変色を防げます。カチカチに凍る前に、保存袋に入れたままバラバラにしておくと、使うときに便利です。解凍するとドリップに栄養素が流れ出てしまうので、凍ったまま調理します。1カ月ほどで使い切りましょう。

干して保存することもできます。スライスしてザルに並べ、3日ほどで乾燥します。濃縮されるためうま味が増します。保存袋に入れ、冷蔵庫で3週間ほど日持ちします。

【管理栄養士・高木小雪】