<栄養素を無駄なく摂る食べ方:野菜編>

ルッコラはアブラナ科の一年草で、春になると小さな白っぽい花を付けます。地中海沿岸が原産とされ、紀元前から栽培されてきました。

日本では1990年代にイタリア料理がブームになったことがきっかけで広まったため、フランス語や英語の「ロケット」ではなく、イタリア語のrucola「ルッコラ(ルーコラ)」という名前がよく知られています。

ゴマに似た香りがして、辛味や苦味があります。辛味や苦味は栽培方法や土壌によって違い、強いものだと辛い大根おろしほどの辛味を感じるものもあるといいます。

色が鮮やかで葉がピンとして張りのあるものが良品です。切り口が変色しているもの、葉がパサついて黄色くなっているものは鮮度が落ちています。

葉の色が濃いもの、大きく育ったものは風味が強い傾向にあります。育ち過ぎたものは茎や葉がかたくなります。

主な栄養素と無駄なく摂るコツ
ルッコラはβカロテン、葉酸、ビタミンC、ビタミンK、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄などビタミン、ミネラルが豊富で、グルコシノレートも含んでいます。

グルコシノレートはアブラナ科の野菜に共通する成分で、抗ガン作用、抗菌作用のあるアリルイソチオシアネート(辛味成分)の前駆体です。細胞を破壊することによって生じ、揮発性の成分のため加熱するとやわらぎます。

ルッコラは風味を楽しむために生のまま利用することが多いですね。βカロテン、ビタミンKは油脂と一緒に、ミネラルは酸やタンパク質と一緒に摂ると吸収率が上がります。チーズとは味の相性が良く、栄養素の吸収率も上がる組み合わせです。サラダにチーズをトッピングしたり、ピザにルッコラをのせたりするのがおすすめです。

期待される健康効果は、風邪予防、貧血予防、疲労回復、美肌効果、ガン予防、生活習慣病予防、骨粗鬆症予防、消化促進などです。

保存するなら
乾燥すると風味が落ちるので、新聞紙に包んでからポリ袋に入れ、野菜室で立てて保存します。水で湿らせたキッチンペーパーを根元に当てておくと、さらに鮮度が保てます。あまり日持ちはしないので、2~3日で食べきるようにしましょう。

水溶性や揮発性の成分は減りますが、ゆでて水けをきり、保存用袋に入れて冷凍すると1カ月ほど持ちます。利用する際は冷蔵庫で解凍し、お浸しやゴマあえ、炒め物などに。ホウレン草のように使えます。

【管理栄養士・高木小雪】