代謝が活発な成長期は、体温も高いのが特徴です。基礎代謝は加齢とともに低下しますが、体温を高く保つことは免疫力を上げ、感染症や病気の予防に役立ちます。
体温を上げるための有効な方法は以下が挙げられます。
●筋肉量を増やして基礎代謝を上げる
●活動量を増やして消費エネルギーを増やす
●タンパク質を多く摂り、食事誘発性熱産生(食事摂取により熱を産生する)を増やす
●消費量を補う分のエネルギーを摂取する
これを見て、「食事誘発性熱産生を増やすために、タンパク質さえ摂ればいい」と思った方がいたら、注意が必要です。食事誘発性熱産生は1日の消費エネルギーの10%程度。タンパク質を毎食十分に摂ることは大切ですが、それだけ食べていればいいということではなく、必要量をしっかり摂るという意味ですので、気を付けましょう。
また体温調節には、自律神経を整え、交感神経と副交感神経をきちんと働かすことが重要です。日中は交感神経が優位になり、体温が上昇します。食後や睡眠時に副交感神経が優位になると、消化機能が高まり、熟睡できます。
しかし、ストレスや不規則な生活が自律神経を乱します。3月は春休みの学生も多いと思いますが、早起き、日中は活動的な生活、食後はゆったり、夜は湯船に浸かって入浴、リラックスして早めに寝るといった規則正しい生活と、決まった時間にバランスの良い食事をとるといった生活サイクルを崩さないように心がけてください。自律神経を乱さないこと。それが感染症や病気の予防にもなるのです。
【管理栄養士・今井久美】