衛生面には気をつけているはずのキッチンやダイニング。しかしなんと、トイレの床と同等レベル以上の菌汚染状態であることや、食卓用台ふきんはキッチン排水口とほぼ同レベルの菌がいることが、花王の調査でわかりました。

首都圏・近畿圏在住の一般の90家庭を対象に実施した調査で、「住まいの菌が気になる」と回答したのは89%。これは10年前に比べて1.5倍増の割合で、近年、生活者の衛生意識が高まっていることがうかがえます。

家の中で菌が気になる場所は、まな板やキッチンの調理台といった食品をあつかう場所が約7割、トイレが約6割と高くなっています。特に、小さい子ども(未就学児)がいる家庭では、多くの箇所において、より菌意識が高い傾向がみられます。とりわけ、食卓、ダイニングの床など、小さい子どもの手が触れる場所については、調査対象者全体と比べて約10%も高い結果となりました。

Q.家の中で菌が気になる場所は?
Q.家の中で菌が気になる場所は?

その一方で、菌が気になっているそれぞれの場所を実際に除菌している割合は低く、除菌をしない理由は「菌を気にしてもキリがない」「やり方がわからない」「面倒」といった声が上位でした。

Q.菌が気になるが、除菌をしていない理由は?
Q.菌が気になるが、除菌をしていない理由は?

次に、家庭内のどこにどのくらいの数の菌が付着しているかを調べるため、拭き取り検査を実施したところ、キッチンスポンジ(掃除用)はほとんどの家庭で菌数が多く、台ふきんはキッチンの排水口とほぼ同レベル、調理台や食卓、ダイニングの床は、トイレの床と同レベルの菌汚染状態であることが確認されました。

また、キッチンの排水口だけでなく、約3~7℃に保たれている冷蔵庫の野菜室からも、食中毒原因菌を含むことで衛生指標菌とされる菌群(腸内細菌科)が、他の場所に比べて多く検出されました。腸内細菌科は、土壌や植物に生息することが知られる菌種と一緒に検出される傾向が見られることから、腸内細菌科は土に由来する可能性が考えられます。

住まいの菌汚染実態(イメージ図・花王調べ)
住まいの菌汚染実態(イメージ図・花王調べ)

なお、食卓などを掃除する際、台ふきんで水拭きするのではなく、除菌表示のあるスプレーや使い捨てシートなどを使い、拭き残しがないように手のひら全体を使って、まんべんなく拭くようにしましょう。

除菌のコツ(花王調べ)
除菌のコツ(花王調べ)