日本開催のラグビーワールドカップを機に、ラグビーに興味を持った人が増えています。ラグビー選手は当たりに負けない重くて強い体で、猛スピードで走れる瞬発力や持久力が必要なスポーツです。

体作りが重要である上に、長時間動けるエネルギーも必要。つまり、筋肉をしっかりつけて、動かす栄養管理が重要です。

タンパク質は分けて摂取

筋肉をつけるにはタンパク質が必要ですが、タンパク質は1回の食事に20g以上(肉なら約100g)摂取しても筋タンパク質の合成は促進されません。3時間ごとに20gのタンパク質を4回摂取するパターンが、最も筋タンパク質合成の効果が高かったという報告があります。

夕食にタンパク質をまとめて食べるのではなく、朝・昼・夕と毎食ごとに20g以上のタンパク質を摂った方が筋肉はつきやすく、さらには補食にもタンパク質を摂取することが望ましいということです。また、タンパク質の代謝には、ビタミンB2、B6などのB群が必要です。

糖質やビタミンB群も大切

筋肉を動かすためには、エネルギー源の糖質を補わなければなりません。筋肉の収縮には伝達物質であるカルシウムが必要です。さらに、筋肉に酸素を送り続けないと筋肉が酸欠になってしまうため、酸素を運ぶヘモグロビンの材料、鉄も不可欠です。

ラグビーだけではありませんが、体を作る、動かすといったタイミングで、効率良く栄養を摂ることが大切だということが理解できますね。同時に、空腹時で運動を行うことや欠食のリスク、補食の重要性も分かると思います。

実際にラグビー選手は、果物や果汁100%ジュースなどで糖質を摂ってから朝練習を行い、運動後は必要な栄養素が摂れるバランスの良い食事をとっています。補食として、タンパク質と糖質の摂れるヨーグルトやバータイプの栄養補助食品などを、増量期には食間や夜食におにぎりを摂っているそうです。

【管理栄養士・今井久美】