筋肉トレーニングなどの高負荷の無酸素運動によって、血中の尿酸値が上がることがあります。高尿酸血症は痛風の原因になるので注意が必要です。

運動時に使われるエネルギー源にATP(アデノシン三リン酸)がありますが、エネルギー産生のために急激かつ大量に利用されると、代謝が進んでプリン体を作り出します。このプリン体から尿酸が合成されるのです。

筋トレによって高尿酸血症にならないために、注意したいことが3つあります。

(1)水分をたくさん摂る

尿酸は水溶性のため、しっかり水分を摂り、尿から尿酸を排泄するようにしましょう。高尿酸血症の人の水分摂取目標量は、1日2リットル以上です。

(2)野菜・海藻の摂取量を増やす

尿はアルカリ性に傾いていた方が、尿酸の排泄量が増加します。尿をアルカリ傾向にする野菜や海藻を積極的に摂りましょう。

(3)乳製品の摂取

牛乳など乳製品に含まれるカゼインは、分解されるとアラニンというアミノ酸ができ、このアラニンが尿酸の排泄を助けます。筋トレ後に牛乳をコップ1杯摂るようにすると良いでしょう。

このほか、もちろんプリン体の多い食品(核酸が多くうま味の強い食べ物、レバー、白子、肝など)を食べ過ぎないことも必要です。ただ、それほどプリン体の摂取量が多くなくても、摂りすぎないよう気を付けていても、筋トレが原因で高尿酸血症になる場合があることを覚えておくと良いですね。

一方、有酸素運動ではATPを使った後、再利用して継続的にエネルギー源として使用するために、プリン体は作られません。つまり尿酸値は上がらず、痛風の原因にはなりません。

【管理栄養士・今井久美】