「釣り」は、幅広いスキルが必要なことから、始めるのにハードルが高いと思われているレジャーではないでしょうか。しかし、幼少期や学生時代から体験することで、食べ物への感謝の気持ちやコミュニケーション能力などもはぐくまれる可能性があることが、一般社団法人日本さかな検定協会が行ったアンケート結果から見えてきました。

魚好きが集う「日本さかな検定」の第10回受検者(6~82歳)に行ったアンケートで、回答した1344人のうち「釣り経験が有る人」は73.5%。そのうち「釣りによく行く」「たまに行く」人は78.2%でした。

一般社団法人日本さかな検定協会調べ
一般社団法人日本さかな検定協会調べ

「釣りによく行く」「たまに行く」人に「釣りを通して学んだこと」を聞くと、上位3回答は「自然の尊さ」「ゴミの片付けなどの環境マナー」「食べ物に対する感謝の心」でした。

一般社団法人日本さかな検定協会調べ
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釣りを始めた時期別に回答を比較すると、「幼少期・学生時代から」始めた人の方が「社会人になってから」始めた人よりほとんどの項目で回答率が高く、特に大きな差がみられたのが「環境・自然保護意識」「粘り強さ、辛抱する心」「自分で考える力、自立心」です。

一般社団法人日本さかな検定協会調べ
一般社団法人日本さかな検定協会調べ

釣りには自然環境への意識、生命の尊さを学ぶのに最適なイメージがありますが、「食べ物に対する感謝の心(3位)」「準備・段取りなどの計画性(6位)」「粘り強さ、辛抱する心(7位)」などのように、食育やビジネススキル、人としての成長に関する項目にも票が集まりました。「(釣り場での)情報収集にはコミュニケーション能力が不可欠」「工夫することの重要性」「現場対応力」といった記述回答も見られました。

思い通りにいかない自然や生き物と向き合い、主体的な行動を促す「釣り」。感受性豊かな幼少期から学生時代に体験することで、心身の成長の一助となるかもしれません。