ビタミンDはカルシウムの腸管からの吸収を助け、骨の形成のために重要なビタミンであることはよく知られています。
そんなビタミンDの別の機能が注目されており、スポーツ栄養の世界でも積極的にとるよう言われ始めています。
筋力増強作用
血中のビタミンD濃度が高い高齢者の方が、筋力が高かった、ビタミンD摂取軍の方が筋トレの効果が上がったといった報告があります。紫外線を浴びる機会の少ない屋内競技の選手は、血中のビタミンD濃度が低いという報告もあるので、競技や種目によっては、積極的にビタミンDを多く含む食材を摂取した方が良いでしょう。
疲労回復作用
筋肉疲労、筋肉痛の改善にも、ビタミンDの摂取に効果があったという報告があります。これは、パフォーマンスの向上やケガの予防にもつながります。
ストレス軽減作用
ビタミンDはリラックス作用を持つセロトニンを、トリプトファンから変える時に必要です。ビタミンDが不足すると、うつ病を発症しやすいともいわれており、特に、紫外線の少ない冬場にうつ症状が増えることも報告されています。
その他、免疫アップ、抗ガン作用、肥満予防、糖尿病予防など研究が進められています。
ビタミンDは脂溶性ビタミンで、過剰摂取により高カルシウム血症、腎臓結石のリスクがあります。サプリメントではなく、魚、卵、キノコ類などを食事から摂ること、週2回程度、適度に日光に当たることが大切です。
【管理栄養士・今井久美】