食の重要性は分かっていても、好き嫌いが多く、食事が偏っていると感じている人も多いと思います。今では学校でも、給食を全部食べるよう指導することは少なくなったため、お子さんが嫌いなものは食べないままになり、それを心配する保護者も多いのではないでしょうか。
限られた食材か、食品の仲間全体か
食べられないものが数種類と限られた食材なら、それと同じ仲間を摂取すれば、栄養が偏ることはありません。しかし、野菜全般が食べられない、魚すべてが嫌いとなると少し問題です。
野菜が嫌いでもイモや果物が食べられるのであれば、イモや果物からビタミンや食物繊維を摂ればいいでしょう。魚が嫌いでも、シラス干しや缶詰のツナが食べられるといったように、「食べられない」ことより「食べられる」事実にフォーカスし、代用になる食材を探した方が食事にストレスがなく、今後食べられるようになる可能性が高くなります。
嫌いな要素は味か、見た目か、食感か
嫌いな理由が分かると、対応も取りやすくなります。味が嫌いな場合は、カレー味やマヨネーズ味など好きな味付けに変え、見た目の場合は、細かく刻んで炒飯やオムレツの具材として混ぜてしまうと、食べられることがあります。
食感の場合は、料理法を工夫する必要があります。カリッと焼く、すりおろして混ぜて使うなどして、嫌いな食感を変えてみましょう。
ただし、香りが嫌いな場合は、対応が難しいですね。酒やしょうが汁、牛乳などにおい消しに効果的な食材もありますが、香りは、その食材を噛んだ瞬間に感じられるため、無理に食べさせることはせず、あきらめた方が良いかもしれません。
思い込み「食わず嫌い」なことも
また、「せっかく作っても、食べてもらえないから食卓に出しません」になっていませんか? お子さんや周囲が「嫌い」だと思い込んでいるだけで、実は食べられた、食べられるようになっていたということもあります。食べ慣れないから手を付けないだけかもしれません。
外食で普段と異なった料理なら食べられた、友だちと一緒や、大人数で食べる時は食べたといったこともあります。食べる相手や環境が異なる時がチャンスです。あきらめずに何度も挑戦してみましょう。
偏食も個性という見方もありますが、何でも食べられると合宿や遠征時も安心です。克服できれば、それが自信になるでしょう。
【管理栄養士・今井久美】