来年には東京オリンピックが開催されます。選手村では、各国から集まったアスリートたちに食事を提供しますが、使用する食材には基準が設けられています。衛生面、栄養面、アレルギー表示などに配慮した、安心・安全な食材を使って給食や外食業者が提供します。

せっかく日本での開催なので、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている「和食」の良さをアピールしたいところですが、文化や宗教的に制約のある食事をしている人がいます。イスラム教徒やベジタリアンなどです。

イスラム教は豚肉含む食品禁止

イスラム教では豚を不浄のものと考え、豚肉を含むものを食べません。ハムやベーコンはもちろん、豚肉エキスが使われている調味料、豚由来のゼラチンなども使用不可なので注意が必要です。また、アルコールも禁止されており、アルコールを含んだ調味料も使用できません。

食べられる、使用可能な食材として認められているものはハラール(合法的なもの)として、「ハラール認証」がつけられたものがあります。和食の味付けに欠かせないしょうゆやみそ、海苔などもハラール認証を受けたものがあり、和食が食べられないわけではなさそうです。どこまで厳格に食事を選ぶかは、地域や個人によって解釈に違いがあります。

ベジタリアンといってもスタイル様々

また、ベジタリアンといっても、完全菜食主義のビーガンもいれば、卵や乳製品は食べる、肉は食べないが魚は食べるなど、スタイルは多岐にわたります。野菜や果物など植物性のものしか食べないアスリートがいた場合、タンパク質源として豆腐を知ってもらう良い機会ですね。

食に制約がありながらも、トップアスリートになった選手たちの食生活は興味深いですね。和食も広めつつ、世界には様々な食事があることを学ぶチャンスでなると良いでしょう。

<参考>

オリンピックTOKYO2020 HP
持続可能性(https://tokyo2020.org/jp/games/sustainability/
持続可能性に配慮した調達コード(https://tokyo2020.org/jp/games/sustainability/sus-code/

【管理栄養士・今井久美】