新年度になり、部活動を始めて張り切っている子たちも多いでしょう。4、5月に多いのがケガです。慣れない動きに転倒したり、切ったり、擦りむいたりすることが多いものです。

流血を伴うケガの場合、傷口を流水で十分に洗い流し、清潔にした後は、傷を覆って乾燥させない方が早くきれいに治ります。食事では、傷の修復、組織や皮膚の形成に必要な栄養素を十分に摂りましょう。

タンパク質

傷からの浸出液(しみ出してくる液)の中にはタンパク質が含まれるため、タンパク質の必要量が増えます。皮膚、靱帯、骨を作るコラーゲンもタンパク質ですので、いつも以上にタンパク質の多い肉、魚、卵、豆腐などの大豆製品や乳製品を摂りましょう。

ビタミンC

コラーゲンの形成にはビタミンCが必要です。摂りやすいのはイチゴやかんきつ類などの果物です。ケガをした時は、1日2回くらい果物を摂ると良いでしょう。

亜鉛

コラーゲンの形成には亜鉛も必要です。カキやレバーなどの肉や魚介類だけでなく、ココアやチョコレート、チーズやナッツ類といった間食として摂りやすい食べ物にも多く含まれています。

ケガで流血した場合だけでなく、皮膚や組織の合成には鉄も必要です。アスリートにとって鉄摂取は常に課題ですね。

DHA、EPA

細胞膜の材料になっている脂肪酸の中で、オメガ3系脂肪酸であるDPA、DHAやαリノレン酸は炎症を抑える働きがあります。EPA、DHAは、サバ、イワシ、アジなどの青魚に多く含まれます。αリノレン酸を多く含む油として、アマニ油があります。サラダのドレッシングに使用するなどあまり加熱せず、酸化しないように摂取した方が効果的です。

【管理栄養士・今井久美】