コンビニエンスストアやスーパーでは、さまざまな種類の野菜ジュースが売られています。「野菜100%」と表示されている市販の野菜ジュースは、野菜そのものを摂ることの代わりになるのでしょうか。その長所と短所、選び方を紹介します。

野菜ジュースの長所

不足しがちなβカロテンやビタミンCが補える
飲むだけなので、準備も不要で簡単
弁当などにも持ち運びやすい
野菜が嫌いでも、野菜ジュースはほんのり甘くて飲みやすい

野菜ジュースは砂糖や甘味料が添加されていなくても、飲みやすく食材をブレンドしてあるため、野菜や果物の素材の甘味が感じられます。最近では糖質が気になる人向けに、甘味の少ない葉野菜を中心に使った「糖質オフ」タイプもありますが、青汁のような青臭さがあり、苦手な人もいます。

野菜ジュースの短所

食物繊維がそれほど多くない(不溶性食物繊維が取り除かれている)
野菜を食べた時より、血糖値が上がりやすい(果汁が入ったものは特に上がる)
野菜摂取の代わりにはならない(かむことで唾液や消化酵素を分泌させ、脳の血流を良くする)

つまり、野菜ジュースでビタミンなどは補えるものの、食物繊維などは野菜を摂ることの代わりにはならないということです。だからといって、野菜ジュースを飲まない方が良いというわけではありません。目的に合わせて選んで飲みましょう。

選ぶポイント(1)

パッケージに表示されている「野菜汁+果汁」の割合を確認
野菜を摂りたいなら、野菜汁の割合の多いものを選ぶ

選ぶポイント(2)

食品成分表示で、自分が摂りたい栄養素がどれくらい含まれているかを確認

選ぶポイント(3)

食品成分表示で、使用食材を確認
使用量が多い食品順に記載されているので、βカロテンや鉄を補いたいなら緑黄色野菜が多く使用されているものを選ぶ

商品パッケージに「これ1本で1日分の野菜」などと書かれていても、ビタミンCのみが1日分摂れるという意味かもしれません。もちろん、製造中に壊れてしまうビタミンCはありますが、メーカーによっては後で添加するなどして、食品表示量は入っていると考えて良いでしょう。

また、βカロテンは壊れにくいので、ビタミンAやミネラルの補給に重きを置いた方がいいかもしれません。野菜ジュースは野菜の代替としてではなく、摂りたい栄養素を補うものとして上手に利用すると良いですね。

【管理栄養士・今井久美】