気温が低い冬は、外に出るのが苦で家の中にこもりがちになりますが、野球やサッカー、陸上など屋外スポーツを行っているアスリートは、こもってはいられません。寒くて筋肉や関節が収縮しているため、しっかりウオーミングアップしないとケガをしやすくなるので注意です。

寒い時期は、甲状腺ホルモンの分泌が高まって基礎代謝を上げ、体温を上げるよう(産熱)に働きます。さらに、体表面の毛細血管が収縮して血液を体の中心部に集め、体表面から熱が逃げないように発汗を抑えます。つまり、産熱のためのエネルギー必要量が増し、中心部に血液が集まるために血液量が増えたように脳が感じ、尿量が増えます。

冬場に栄養面で気をつけるポイントは、夏よりもエネルギーを多く摂る必要があるため、エネルギー源である糖質、タンパク質、脂質を増やすこと。発汗量は少なくても、空気が乾燥していて呼気からの蒸発量が増え、さらに尿量が増えることから、水分不足にならないよう心がけましょう。

また、紫外線が少なくビタミンDが活性化されないため、カルシウムの吸収率が低下し、骨折しやすい時期でもあります。カルシウムやビタミンDの多い魚類を食べましょう。補食やおやつに煮干しを食べるのも良いかもしれませんね。ビタミンDにはインフルエンザを予防する効果があるという報告もあります。

暖かい季節の方が、体の動きがスムーズで良い記録が出やすいことが知られていますが、寒い時期こそ食生活に注意して体づくりをすることで、記録やパフォーマンスの向上につながるのではないでしょうか。

【管理栄養士・今井久美】