<栄養素を無駄なく摂る食べ方:野菜編>

モヤシは豆類を発芽させたものの総称で、緑豆モヤシ、ブラックマッペモヤシ、大豆モヤシ、アルファルファモヤシなどが出回っています。

白く太く、張りがあるものを選びましょう。ひげ根が変色しているものは鮮度が落ちています。大豆モヤシは豆が開いていないものが良品です。

主な栄養素と無駄なく摂るコツ
発芽することでGABA(ギャバ)が格段に増えます。GABAは神経伝達物質で、ストレスを和らげリラックス効果があり、免疫力を高めます。発芽玄米ほど含有量は多くありませんが、たくさん食べて摂取量を増やせます。

豆が発芽し、伸長していく過程で豆の持つエネルギーが消費され、豆の時にはなかったり少なかったりするビタミンや消化酵素などの成分が増えます。ですから低エネルギーなのに栄養素は含まれ、消化が良いのです。また、食物繊維が腸の働きを良くし、免疫力を上げます。

代謝機能を高め、疲労回復に効果的なアスパラギン酸も含んでいます。クエン酸をプラスすると、乳酸の分解を促進するので梅を添えてもよいでしょう。

豆によって栄養成分の含有量が異なります。大豆モヤシはタンパク質が多く、豆乳を上回ります。ダイエット中のかさ増しにはエネルギーの少ない緑豆モヤシ、ブラックマッペモヤシがおすすめです。ブラックマッペモヤシは、緑豆モヤシより細いのでシャキシャキ感が残りやすく、炒め物に向いています。

モヤシは栄養素の流出が大きい野菜です。水につけておくとシャキシャキ感はアップしますが、ビタミンBやCなど水溶性の栄養素が流れ出てしまいます。ゆでると栄養素の多くがゆで汁に移行してしまいますので、汁ごと飲むか炒める、蒸す、電子レンジ加熱といった調理法がおすすめです。油で調理すると表面に油膜ができ、栄養素の流出が抑えられます。

βカロテンの多い野菜と組み合わせて油で調理すると、抗酸化作用がアップしますので、ニラモヤシ炒めは良い組み合わせです。

保存するなら
低温で保存した方が良いので、野菜室ではなく冷蔵室で保存します。ビタミンCは冷蔵してもどんどん損失しますので、早めに食べましょう。 すぐに食べられない時には軽く加熱し、密閉容器で冷蔵保存します。加熱方法はさっとゆでる、熱湯をかける、炒める、蒸す、電子レンジなどです。生のまま冷蔵するよりは2~3日長持ちします。

冷凍する場合は、さっと加熱してから保存袋に入れて急速冷凍します。2週間ほどで食べ切りましょう。解凍するとドリップに栄養素が流出しますので、凍ったまま汁物に入れる方法がおすすめです。

ナムルやキムチ、しょうゆ漬けなどにすると、1週間くらい食べられます。

【管理栄養士・高木小雪】