「飲む点滴」として流行した甘酒は、発酵食品としても人気があります。甘酒を作る方法は、以下の2つがあります。

(1)米を麹菌で発酵させる
(2)酒粕を水で溶かして砂糖を加える

(2)は砂糖やアルコールが含まれているので、「体に良い」と流行したのは、ノンアルコールの(1)。「子どもが飲んでも大丈夫か?」と問われれば、アルコールが含まれていないものであれば、飲んでも大丈夫でしょう。

麹菌がでんぷん分解してできたブドウ糖

甘酒を作る麹

甘酒を作る手順は、日本酒を作る工程の途中までと同じです。米を蒸して麹菌を散布すると、麹菌によって米のでんぷんが分解されて、ブドウ糖ができます。この段階のものが「甘酒」です。さらに、このブドウ糖が発酵してアルコールが生成されたものが日本酒です。

麹は、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼなど約30種類の酵素を含んでいます。これらの働きによってでんぷんやタンパク質、脂質などが分解されて作られたものが体に有用なものが多いため、「飲む点滴」と呼ばれているのです。

その効果をいくつか紹介します。

エネルギー源、整調作用、美白作用など

麹菌の作用によってできたブドウ糖は体内に早く吸収され、素早くエネルギーに変わります。運動や体を動かした直後に摂取すれば、効率よくエネルギー源になり、疲労回復に役立ちます。

「飲む点滴」と言われる甘酒

麹菌によって作られたでんぷんからオリゴ糖ができるため、整腸作用も期待できます。また、糖質、タンパク質、脂質の代謝に必要なビタミンB群(B1、B2、B6、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸)が生成されます。タンパク質は、プロテアーゼの作用でペプチドやアミノ酸に分解されており、吸収されやすくなっています。

その他、麹菌に含まれるコウジ酸は美白効果があり、化粧品などに使用されています。ビタミンB群やアミノ酸の作用によりダイエット効果があるなどと美容の分野でも人気です。

糖尿病、アレルギーのある方は注意

しかし、デメリットもあります。飲むと急激に血糖値が上がり、高血糖につながるので、糖尿病の人は注意が必要です。また、アスペルギルス属のカビにアレルギーのある方は摂取不可です。

カロリーも低くないため、運動後の疲れ軽減のために、1日コップ1杯程度飲んだり、料理の調味料として使ったりするのがいいでしょう。

【管理栄養士・今井久美】