<栄養素を無駄なく摂る食べ方:野菜編>

ブロッコリーはキャベツを改良したアブラナ科の野菜で、明治時代に日本に入ってきました。花蕾の部分は濃い緑色が一般的ですが、紫、白、黄緑などの品種もあります。濃い緑色の品種で紫がかっているものは、アントシアニンのためでゆでると緑色になります。

つぼみが粒ぞろいで隙間なく固く締まり、中央がこんもりと盛り上がっている色の濃いものが良品です。茎の切り口に空洞がないものを選びましょう。

主な栄養素と無駄なく摂るコツ
ブロッコリーはビタミン、ミネラルが豊富な栄養価の高い野菜です。特にビタミンCと葉酸が多く含まれ、ビタミンCはレモンよりも多く、イチゴの2倍ほど含まれます。抗酸化ビタミンのACEがそろい、相乗効果で抗酸化力がさらに高まります。

ガン予防に効果のあるスルフォラファンは、細胞を傷つけることによって生じます。そのため、ミキサーにかけるとスルフォラファンの摂取量が増えます。

また、必須脂肪酸のαリノレン酸を含んでおり、アレルギー抑制効果があります。冬のうちからたくさん摂っておくと、花粉症予防効果が期待できます。

あくはないため、ビタミンCや葉酸など水溶性ビタミンの損失を減らすためには蒸し料理がおすすめです。ゆでる場合は短時間にとどめ、水にはさらさず、ざるに広げて冷まします。油脂を使った調理で、βカロテンなどの脂溶性ビタミンの吸収率が上がります。ビタミンやミネラルはタンパク質と合わせることで吸収率が上がるため、チーズをかけてオーブン焼きにするなどの食べ方がおすすめです。

茎にも栄養素が含まれており、食物繊維が豊富で甘味があります。表面のかたい皮を切り落として使いましょう。

保存するなら
ペーパータオルでつぼみの部分を覆ってラップで包み、さらにポリ袋をかぶせて軽く口を縛り、軸を下にして立てて冷蔵室に入れます。こうするとエチレンガスの発生を抑えられ、1週間以上日持ちますが、できるだけ早く使いましょう。

冷凍する場合は小房に分けてサッと塩ゆでし、水けをきって保存袋に入れ、急速冷凍します。そのまま食べる場合は前日に冷蔵室に移して自然解凍、加熱する場合は凍ったまま使用できます。1カ月ほどで食べきりましょう。

【管理栄養士・高木小雪】