<おにぎり今昔物語(4)>

近年「全粒穀物(ホールグレイン)」が注目されていますよね。全粒穀物とは、穀物のふすまや胚芽を残して茶色い状態のままにした穀物のこと。最近の研究で、このふすまと胚芽に栄養素が詰まっていることが分かってきており、全粒穀物をふだんの食事に取り入れる動きが広まっています。

全粒穀物の代表格といえばやっぱり玄米! 炊飯するときには精米よりも多めの水や浸漬時間が必要になりますが、独特の食感から人気がありますよね。

玄米はお米特有の甘さのほか、白米にはない糠の香ばしさがあります。玄米自体に濃厚なうま味があるので、おにぎりを作る際はシャケや塩サバなどの素朴な味付けの具材を選びたいところ。また、栄養観点ではツナや納豆を包むと、玄米に少ないタンパク質が補え「完全栄養食」に近づきます。

玄米にしてみたいけど食感が苦手という方は、発芽玄米を試してみましょう。白米のように軟らかいうえ、玄米本来のビタミンや食物繊維といった栄養素は十分に取り入れることができますよ。

全粒穀物の味生かす素朴な具材に

玄米と並んで雑穀米も全粒穀物の1つです。体に必要な栄養素が豊富に含まれており、しかも自分の摂りたい栄養素に合わせて雑穀の配合を変えられます。おにぎりにするなら、穀物の味を楽しめる塩昆布を混ぜたおにぎりがオススメです。強めの塩けが雑穀の甘さを引き立ててくれます。

玄米も雑穀米も白米とは味も香りも異なりますので、急に切り替えるのは難しいかもしれません。そんなときは白米と混ぜ合わせ、徐々に比率を高めていけばよいでしょう。

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