スペインやイタリア、ギリシャなど地中海に面した国々の食事、「地中海食」が脚光を浴びています。地中海食を日常的に食べているスペインが、2040年までに長寿国世界一になる見通しだと英医学誌「ランセット」が発表したことで、改めてその健康効果が注目されました。

将来長寿世界一になると予想されるスペイン
将来長寿世界一になると予想されるスペイン

地中海食は、全粒穀物、野菜、果物、オリーブ油、乳製品、魚介類を多く食べ、他の欧米諸国に比べて牛肉をほとんど食べないスタイルを総称したものです。特徴的なのは、オリーブ油をたっぷり使うこと。不飽和脂肪酸(オメガ3系脂肪酸)を多く含み、血中の中性脂肪やコレステロール値を下げるオリーブ油は、体だけでなく脳にも良い影響を与えると言われており、以前のコラムで紹介した「ブレインフード」でも取り上げられています。

地中海食でよく使われるオリーブ油
地中海食でよく使われるオリーブ油

ランセットが長寿の要因としたのは、生活習慣病。特に地中海食では高血圧、動脈硬化、心疾患、脳梗塞や糖尿病などのリスクが少ないことが、長寿と関連していると考えられています。ダイエットにも効果的で、生活習慣病の予防にも役立つとされており、同じ地中海沿岸のポルトガルやイタリアでも平均寿命が大きく伸びています。これらのことから、この先20年でスペインの平均寿命も大きく伸びると予想しています。

次のページうつ病にも効果、権威ある医学誌が発表