<栄養素を無駄なく摂る食べ方:野菜編>

ナメコは、10~11月にブナやナラなどの枯れ木や切り株などに生えるキノコで、ヌメリタケともいわれています。その名の通り表面のぬめりが特徴で、漢字では「滑子」と書きます。

一般に流通しているものは、菌床栽培の人工栽培品で、家庭栽培用の栽培キットも売られています。購入する時は、かさの部分が丸く粒がそろってつやがあり、肉厚のものを選びましょう。

主な栄養素と無駄なく摂るコツ
他のキノコ類と同様、ビタミンB群や葉酸、パントテン酸を含み、食物繊維やβグルカンが多く含まれています。カリウム、マグネシウムなどのミネラルも、多くはないものの含まれています。

ぬめりの成分は、多糖類とタンパク質が結合した糖タンパク質で、保水性があります。胃腸の粘膜を保護修復する働きがあり、胃腸症状の改善、粘膜の増強による風邪予防やアレルギー症状の予防や改善効果も報告されています。

また、ぬめり成分にはタンパク質分解酵素が含まれており、タンパク質を素早く吸収してエネルギーに変えることから、疲労回復に効果があるといわれています。

ぬめりには粘性多糖類のコンドロイチンや二糖類のトレハロースも含まれており、高い保水性があります。コンドロイチンは軟骨の成分として有名ですが、これらの保水性により皮膚や粘膜の乾燥を防ぎ、保湿する働きがあります。

調理する時は、ぬめりが落ちすぎないように水でさっと洗ってから使用します。パッケージに水洗い不要と記載されているものは、そのまま使用できます。

生食はできませんが、ぬめりの成分は熱に弱いため、加熱し過ぎないようにしましょう。みそ汁やナメコおろし、あえ物、ぬめりを利用して魚や豆腐のあんかけに入れるなどのほか、スパゲティやピザの具にも合い、幅広い料理に使えます。

保存するなら
保存には向いていないので、購入したら2~3日で使い切りましょう。冷凍保存は可能で、冷凍してもぬめりはなくなりません。パックのまま(石づきが付いているものは石づきを取り除いてから)冷凍し、使用する時は冷凍のまま調理します。

【管理栄養士・今井久美】