よく食べてたくさん運動しているアスリートは、健康そのものに見えますが、運動量が多く、必要量が多いからこそエネルギーや栄養素が不足している場合があります。栄養が足りているかどうか、不安に思いながら食事のサポートをしている保護者も多いのではないでしょうか。栄養の評価方法を2回に分けて、紹介します。

朝起きて排尿後

身長、体重測定は最も重要です。筋肉量が多いアスリートは、一般の人よりも体重が多く、肥満との区別がつきにくいため、体脂肪量も測定しましょう。家庭用の体重計にも体脂肪率が測定できるものがたくさんあります。

家庭用のインピーダンス法による体脂肪計は、電気抵抗で体脂肪量を推定しますので、食事からの水分摂取が多い食後は、体脂肪量が少ない値を示します。朝、起床してトイレに行った後など、毎日同じ条件下で測定すると、誤差が小さくなります。

スポーツセンターなどでは、部位別の筋肉量が測定できるものもあります。左右の手足、体幹の脂肪量からそれぞれの筋肉量を算出します。どの部位が強く、どの部位が弱いのかを知ることも大切です。

骨密度もできるだけ

骨密度を測る機会があれば、ぜひ測りましょう。運動による骨への負荷は骨密度を高めるのに有効ですが、運動量が多すぎることで、女性は月経不順や無月経になることがあります。女性ホルモン量が減ると骨密度が低下し、骨折しやすくなるのです。

10代、20代は骨密度を高めるのに大切な時期です。目先の競技結果も大切ですが、一生つきあう体を作る大切な時期であることも忘れてはいけません。

運動前後に尿チェック

尿量が少ない、色が濃い場合、脱水の可能性があります。運動前と運動後に体重を測定し、運動前より2%以上減っていないか確認しましょう。

尿の色が赤っぽくなった時は、貧血の可能性があります。運動による衝撃で赤血球が壊れるスポーツ貧血です。食事で鉄などを摂ることも大切ですが、コーチに相談し、トレーニング内容を再考してもらうことも必要です。

【管理栄養士・今井久美】