試合前に食欲がなくなったり、下痢をしてしまうことはありませんか?

緊張からのストレス

緊張が高まると、体はストレスを感じます。そのストレスが脳の視床下部に伝わり、自律神経の活動が活発になります。その結果、アドレナリンが分泌され、体脂肪の分解が促進。エネルギーの必要量も増加するため、しっかり食べないとやせてしまうのです。

ステロイド(副腎皮質)ホルモンの分泌も盛んになり、タンパク質の分解が進みます。タンパク質の必要量も増えますが、足りないと筋肉を分解してアミノ酸を作り、エネルギー源として利用してしまいます。

消化吸収能力が落ちる

また、自律神経の作用から消化液の分泌が低下し、消化管の動きは悪くなります。消化吸収能力が下がるため、食欲が落ちたり、下痢をしやすくなるのです。

つまり、試合前の緊張によって、必要なエネルギー、タンパク質、脂質は増えるのに対し、食欲が低下したり、おなかの不調によって食べられなくなる選手が多いのです。

消化の良いものを数回に分けて

では、どうしたら良いのでしょうか?

食事や補食の回数を増やし、1回の量を少なくして、消化の良いものを食べることをおすすめします。

いつも、試合前に食べられなくなる人は、それを見込んで食べられる時にしっかり蓄えておくことも必要ですね。ステロイドホルモンを作るのにはビタミンCが必要なため、ビタミンCも多く摂りましょう。

【管理栄養士・今井久美】