ヒジキは健康食、長寿食として、日本では昔から身近な食材です。ところが2004年、英国食品規格庁がヒジキには無機ヒ素含有量が多いとして消費者に注意喚起して以来、日本でも農林水産省や厚生労働省でヒジキに含まれるヒ素の低減に向けて、様々な取り組みがされてきました。

 農林水産省では家庭でのヒジキの調理法として、一般的な「水戻し」のほかに「ゆで戻し」「ゆでこぼし」を行い、どの調理法が 一番ヒ素を減らすことができるかの調査を行いました。また、鉄、カルシウム、食物繊維の含有量への影響も同時に調べました。

<調査方法と調理法>
水戻し
乾燥ヒジキ→水戻し→戻し水を捨てる→水洗い

乾燥ヒジキ20gを600mlの常温水に入れ、30分静置した後、戻し水を捨て、流水で20秒洗浄。(所要時間:約30分)

ゆで戻し
乾燥ヒジキ→ゆでる→お湯を捨てる→水洗い

乾燥ヒジキ20gを600mlの常温水に入れ、強火で加熱、沸騰後5分間弱火でゆでた後、お湯は捨て、流水で20秒洗浄。(所要時間:約20分)

ゆでこぼし
乾燥ヒジキ→水戻し→戻し水を捨てる→熱湯でゆでる→お湯を捨てる→水洗い

乾燥ヒジキ20gを600mlの常温水に入れ、30分静置した後、戻し湯は捨て、600ccのお湯に加えて強火で加熱し、沸騰後5分間弱火でゆでた後、お湯は捨て、流水で20秒洗浄。(所要時間:約40分)

<調査結果>

無機ヒ素
 乾燥ヒジキの無機ヒ素は「水戻し」で5割程度、「ゆで戻し」で8割程度、「ゆでこぼし」で9割程度まで減りました。戻した水や湯は調理に使用しないことをおすすめします。

農林水産省HPより

栄養素への影響
 「水戻し」「ゆで戻し」「ゆでこぼし」で調理した後の、鉄、カルシウム、食物繊維の含有量は、調理前に比べてそれほど大きく減っていないことがわかりました。

<鉄>

「ゆでこぼし」をしても7割以上残りました。農林水産省HPより

<カルシウム>

どの調理法でもほとんど減りませんでした。調理後に100%を超えたものは、水道水中に含まれるカルシウムの影響等と考えられます。農林水産省HPより

<食物繊維>

どの調理法でも8割以上が残りました。農林水産省HPより

 ヒジキをより安全に食べるには「ゆでこぼし」が有効であること、さらに「ゆでこぼし」をしても含まれている栄養素は7割以上が残ることがわかりました。

 健康への影響は、極端に大量の摂取をしない限り小さいと言われています。ヒ素は自然環境中に広く存在する元素です。食品に含まれるヒ素について理解を深め、特定の食品に偏らず、さまざまな食品をバランスよく食べることが大切です。

参考:農林水産省「食品中のヒ素に関する情報」、厚生労働省「ヒジキ中のヒ素に関するQ&A」