スポーツ競技には、身長が高い方が有利なものがあります。どうしたら成長期に、より高く背を伸ばせるのでしょうか?

①骨を伸ばす

 骨は、カルシウム、リン、マグネシウムなどのミネラルが土台となり、そこにコラーゲンが結びついてできています。また骨を作るためには、ビタミンD、ビタミンKも必要です。これらのミネラル、ビタミンを摂ることはもちろんですが、コラーゲンの材料になるタンパク質の摂取が不可欠です。

②体を大きくする

 体を構成する成分は、成長期では水分が60~70%、タンパク質が15~20%、脂肪が13~20%、ミネラルが5~6% 糖質が1%。成長期にはタンパク質の摂取だけでなく、脂肪や糖質を維持、増大させるために炭水化物も必要です。また、成人以上に水分の割合が多いため、体重あたりの水分必要量は成人よりも多くなっています。

③成長を促す

 成長ホルモンは、夜間(午後10時~午前2時)に分泌量が増えると言われています。成長期には、朝起きると関節が痛む成長痛がみられることがありますが、それは夜間に体の成長が盛んなため。その時間を含めた十分な睡眠が必要です。運動も成長ホルモンの分泌を促進します。

 成長ホルモンの分泌を促す成分として「アルギニン」というアミノ酸があります。小児では十分に体内で作り出すことができないため、食事からの摂取が必要です。大豆製品(納豆や高野豆腐)、肉類(鶏むね肉)、魚介類(カツオやエビ)、ナッツ類、玄米に多く含まれています。サプリメントも市販されていますが、小児の使用は、副作用(腹痛、鼓腸、下痢、痛風)を生ずる可能性があるため推奨されていません。

 結局のところ、○○をすれば身長が伸びるということはありません。バランスよくしっかり食べ、運動し、十分な睡眠をとることが成長につながるということですね。

参照:国立健康・栄養研究所「健康食品」の 安全性・有効性情報

【管理栄養士・今井久美】