近頃、白米に雑穀や麦を入れて食べる人が増えています。その効果を確認してみましょう。

効果① 食物繊維を多く含む

 国民健康・栄養調査の結果では、どの年代も食物繊維の目標量(食事摂取基準2015年度版、6歳以上に設定)に対し、1日あたり約5g不足しています。

 この5gというのは、野菜や果物の摂取量を増やしてもなかなか補うのが難しい量ですが、白米に雑穀や麦を1~2割入れるだけで、目標量以上に増やすことができるのです。

効果② 必須アミノ酸リシンを補える

 米において、1番不足しているアミノ酸(第一制限アミノ酸)がリシン。タンパク質の組み立てに必要な必須アミノ酸で、不足すると疲れやすくなります。おにぎりを作るときは、米に豆などの入った雑穀を入れることで、足りない分を補うことができます。ただ、リシンを含む穀類は全体として少ないため、多く含む動物性食品(肉、魚、卵など)と組み合わせて摂ると、さらに有効です。

効果③ ビタミン、ミネラルが多い

 白米はまた、糖質の代謝に必要なビタミンB1の含有量が少ないので、雑穀や麦で増やすことができます。アマランスや粟などが入っている雑穀は、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄といったアスリートに必要なミネラルも多く、白米に加えると、主食で効率よく摂取量を増やすことができます。

 雑穀米や麦飯を好まない人もいますが、炊き込みご飯やチャーハンにすれば気にならない場合もあります。毎日の食事に取り入れてみましょう。

参考:女子栄養大学出版「七訂食品成分表2016」

【管理栄養士・今井久美】