運動に汗はつきものです。特に運動に励むみなさんは、夏だけではなく、一年中汗をかいているでしょう。

 ところで汗のニオイはどのようにして発生するのでしょうか。

 汗は全身に分布している汗腺の「エクリン腺」と、脇などにある汗腺「アポクリン腺」から出てきます。「エクリン腺」から出る汗はサラサラしていて、99パーセント以上が水分。一方「アポクリン腺」から出る汗には、タンパク質や脂質などニオイの元になりやすい成分が含まれています。これらの汗が皮膚の上で常在菌と出会い、高温多湿の環境下で繁殖してニオイが発生するというわけです。

肉を食べ過ぎるとNG?

 汗のニオイに影響を与える食べ物は、肉などに含まれる「動物性脂肪」です。動物性の食品は、体内で分解される際にアンモニアが発生します。動物性食品の食べ過ぎで肝臓や腎臓などの働きが弱まっていると、アンモニアが代謝されずに血中に流れ込み、汗や息のニオイとなって、外に出てきてしまいます。

 汗のニオイや体臭を防ぐには、肉などに偏りすぎないバランスのとれた食生活が基本。また、肉類やチーズ、バターなど、動物性脂肪が多く使われる洋食よりも、和食がおすすめです。動物性食品を摂るときには、タンパク質や脂質の酸化を抑制する緑黄色野菜や、タンパク質の代謝に必要なビタミンB6を含む食材(マグロ、カツオ、レバー、きなこ、ゴマ、大豆など)を組み合わせるといいでしょう。

見逃せない、レモンや緑茶の消臭パワー

 肉を食べ過ぎちゃったなというときにおすすめなのは、ニオイの原因になるアンモニアを体外に排出してくれる「クエン酸」です。

 クエン酸は、肝臓などの働きを高め、代謝をよくしてくれます。クエン酸を多く含む食材の代表はレモンやミカンなどの柑橘類や、酢、梅干しなど。血液をさらさらにしたり、疲労物質を分解する働きもあります。

 また、緑茶の消臭パワーも見逃せません。緑茶には、消臭効果のあるポリフェノールがたっぷり含まれています。また、抗菌・抗酸化作用もあり、雑菌の繁殖を抑えてくれます。

便秘にも気をつけて

 ちなみに、便秘もニオイの発生の原因になります。腸内にたまった不要物が悪臭のガスを発生し、血液を経由して汗といっしょに外に出てきます。

 ニオイの出方には個人差があり、これさえ食べておけば心配なし! という食品はありません。日頃から肉や魚、大豆製品などの良質なタンパク質に、緑黄色野菜やみそ汁などを組み合わせた和食中心のバランスよい食事を心がけ、ニオイや便秘を予防していきましょう。【工藤玲子】