食塩中毒で亡くなった乳児のニュースがありましたが、発汗により、ナトリウムが失われることもよく知られています。では、一体1日あたりどれくらいの食塩が必要なのでしょうか?

 日本人の食事摂取基準では、18歳以上が生体を維持していくのに必要な量は、男女とも食塩相当量で1.5gとされています。平成27年度の国民健康・栄養調査では、成人の食塩摂取量は10.0g(男性11.0g、女性9.2g)で、通常の食事をしていれば不足することはないと言われています。

 むしろ摂取量が多いと高血圧や胃がんのリスクが上がるため、WHO(世界保健機構)のガイドラインでは、成人は1日5g未満、食塩摂取量の多い日本人は1日、男性8g未満、女性7g未満が目標になっています。通常の生活では、食塩を含まない水やお茶を少量ずつ頻繁に飲むことで、脱水を予防できます。

 では、発汗の多いアスリートはどうでしょうか?

 通常の汗の食塩濃度はそれほど高くありませんが、激しい運動を行い発汗量が増えると、汗の食塩濃度が高くなる傾向があり、1リットルの汗の中に2、3gの食塩が含まれるそうです。ナトリウムが失われているので、発汗量に合わせて、食塩を加えることも必要です。

 ただし、食塩の過剰摂取を考慮すると、食事が十分食べられているのであれば、日常生活の水分補給は食塩の含まないお茶や水で摂り、運動時など発汗量の多い場合の水分補給は、スポーツドリンクのような食塩を含んだもので摂るのが良いでしょう。【管理栄養士・今井久美】