<ワンポイント食事マナー5>

 前回は洋食をいただくときのナイフとフォークの使い方を説明しました(参照:「海外でも役立つ、ナイフとフォークの使い方」)。洋食では食器を手に持って食べるのはマナー違反です。しかし、和食の場合はご飯茶わんやお汁の入ったおわん、小皿などは手に持って食べるのが良いマナーですね。

 椅子に座ってテーブルでいただく洋食に比べて、和食は正座をして低いお膳から食べていた歴史から、茶わんを持って食べる文化が定着しました。刺し身をつけるしょうゆの小皿も手に持ってかまいません。刺し身を口元に運ぶ時に、しょうゆが垂れないように左手を添える手皿はNGです。

 おわんは縁に親指を掛け、残り4本の指をそろえて糸底(底の突起部)に添えて持ちます。安定しますし、熱い汁でも持つことができます。

子どもの頃からの習慣づけが大切
子どもの頃からの習慣づけが大切

 日本では「育ちが分かる」と言われるほど食事マナーは大切です。子供の頃からしっかりと基本を身につけておきたいですね。(終わり)【筑波大客員教授、グローバルマナースプリングス代表・江上いずみ】

(2017年5月4日付日刊スポーツ紙面掲載)