我が家では、息子たちが野球、娘がフィギュアスケートと、全く違う競技に取り組んできました。

野球は体を大きくすることが必要になります。また、長男はショート、次男と三男はピッチャーと外野手とポジションが異なり、同じ野球でも体の作り方が違いました。内野手は速い打球に対応するために瞬発力が必要。ピッチャーは下半身をしっかり鍛え、スタミナをつけることが大事。バッターとしては、やはりパワーが重要になってきます。

一方フィギュアスケートは、審美系競技のため見た目のスタイルも大事です。そしてジャンプや、回転を速くするには軸が細くないときれいに跳べないため、体重管理はとても厳しいものでした。 

このように全く違う体作りをしなければならない子どもたちには、たとえ兄妹でも同じものを食べさせてはいけないのでは。そう考えたのが、スポーツ栄養を学ぶきっかけでした。

まず始めに、アスリートの基本の献立を学びました。大事なのは、主食、主菜、副菜、汁物、乳製品、果物が1食できちんとそろっていること。だからと言って、毎回必ず6品目をそろえなければいけないわけではなく、例えば野菜をたくさん入れた汁物にすれば、副菜と汁物が1品でまかなえます。このようにアレンジしながら、献立が整うように用意をしてきました。

そんな日々の中で、ふと思い出したのが自分の小学生の頃のことです。

私はスポーツが大好きで、バレーボール、陸上、ドッジボール、ソフトボール、ポートボールをやっていました。パレーボール、陸上では地区で優勝することもあり、とにかくどのスポーツも一生懸命やっていた記憶があります。

その頃母が作ってくれていた料理を思い出すと、ご飯、みそ汁、肉や魚料理、野菜のおひたしやゴマあえ、煮物。そして食後には果物があり、冷蔵庫には牛乳が常に入っていました。思い返せば、その頃からアスリートの基本の6品目がそろっていたのです。

当時はスポーツ栄養学は知られていなかったと思いますが、母はきちんと基本の献立を作ってくれていたと気付きました。幸せなことに私は小さい頃から、その食事に慣れ親しんでいたのです。

母の味、いなり寿司は子どもたちも大好き
母の味、いなり寿司は子どもたちも大好き

母の手料理で特に好きだったのがいなり寿司です。おかずはいらない! といなり寿司だけを食べていたようで、代わりに母はみそ汁にたっぷりの野菜を入れてくれていました。そして、酢飯にも一工夫が。ニンジン、タケノコ、シイタケ、キヌサヤ、ちくわ、ちりめんなど、たくさんの具材が炊き込まれ、いなり寿司だけでも色々な栄養素がとれるよう工夫してくれていました。

酢飯にはたくさんの具材が炊き込まれ、この1品だけでもたくさんの栄養素がとれます
酢飯にはたくさんの具材が炊き込まれ、この1品だけでもたくさんの栄養素がとれます

スポーツ栄養を学んだからこそ気付いた母の愛情。このいなり寿司は子どもたちも大好きで、何が食べたい? と聞くと必ずリクエストされる1番の人気メニューです。

【アスレシピ特派員=兵庫県在住・妻鹿直美】