スポーツを頑張るお子さんをお持ちのお母さんのための食事学講座を主宰する阿部優です。

先日、新しく講座を受講したサッカーを頑張る小学生のお子さんのお母さんからの質問で、「うちにもそんな時があったな」と思った出来事がありました。

講座では、お子さんの1日に必要な糖質やタンパク質の量を、例えばご飯ならお茶碗に○杯、肉魚は○g、卵は○個、牛乳は…と算出していきます。そこで「不足していたのですね」と気がついたお母さんは、頑張って食事を用意。お子さんも一生懸命食べていたそうです。

ところが数日経ち、「おなかがゆるくなりました」と相談がありました。

ご飯の量は急に増やせなくても、肉や魚、特に肉ならば「たくさん食べられる!」と急に量を増やしてしまうと、おなかがゆるくなったり、胃が痛いなど消化器系の不調が出ることがあります。

1回の食事で消化できるタンパク質には目安の量があるのです。それを超えてしまうと大人でも不調を来します。計算値は目標値。ゆっくり焦らずに、目標値の量に近づけていきましょうとお伝えしました。

それにしても「(指導者から)食べろと言われるのに食べられません」と悩むお母さんが多い中、これなら食べられる! と頑張って食べているお子さんはすごいと思います。そんなお子さんのやる気、食べようという気持ちに応えられるよう、少しでも消化しやすいように調理を工夫してみることをおすすめします。

今回は、フードプロセッサーで作る「自家製鶏ひき肉」を使ったつみれ鍋を紹介します。もぐもぐよく噛むのも大事ですが、ひき肉になっていればより消化はしやすくなります。

体も温まる鍋は、次の日におじやにしても。1つで2度おいしい鍋です。ぜひ作ってみてください。

塩麹の自家製鶏つみれ鍋

塩麹の自家製鶏つみれ鍋

材料(4人分)
鶏もも肉…1枚(200~250g)
鶏むね肉…1枚(200~250g)
好みの具材(白菜、シイタケ、シメジ、大根、ニンジン、生揚げ、水菜、餅など)…各適量
※大根はすりおろしてたっぷり入れると食べやすいです。

A
塩、コショウ…各少々
片栗粉…大さじ2
すりおろしニンニク…大さじ1
すりおろしショウガ…大さじ1
塩麹…大さじ1

<鍋のだし>
水…鍋の深さの半分程度
昆布…10cm四方1枚程度
鶏がらスープの素(顆粒)…大さじ3~お好みで

作り方
❶鍋に水と昆布を入れ、30分置く。その間に野菜類をカットする。
❷鍋を火にかけ、鶏がらスープの素と煮えにくい野菜を入れる。
❸フードプロセッサーに鶏もも、むね肉を入れ、粘りが出るまでしっかり回す。ボウルに移し、Aを加えてよく混ぜる。

フードプロセッサーでひき肉にした鶏肉に、つくねの材料を混ぜる

❹②が煮立ったら、③の肉を丸めながら鍋に入れ、大根おろし以外の残りの野菜と餅も入れる。
❺つけだれなしでおいしく食べられるくらいに鶏がらスープの素で味を調え、最後に大根おろしを入れ、温めたら完成。

大根おろしは最後に加えます
大根おろしは最後に加えます

使ったフードプロセッサーはひき肉をボウルに移した後、水を入れて食器用洗剤を数滴たらし、再び回すと汚れはほとんど落ちてしまいます。あとはスポンジで少しこするだけ。ここまでを1作業にしてしまうと、ハードルが下がりますよ。

【アスレシピ特派員=東京都在住・阿部優】