お子さんが部活動を引退したり、スポーツ活動を中断して受験勉強に取り組んでいる方もいらっしゃると思います。

今までスポーツを頑張っていた時には、練習や試合に向け、スポーツ栄養学を参考に献立を考えていたことと思いますが、引退すると激しい運動をするわけではなくなるので、食事でのサポートはもう必要ないと思っているかもしれません。

しかし試合と受験、どちらも当日が勝負になるのは同じです。どんなに練習や勉強を頑張ってきても、当日に体調不良を起こしてしまっては、今までの努力が水の泡になってしまいます。

必死に受験勉強をしているお子さん自身が、食事にまで気を回すのはなかなかできることではありません。アスレシピをご覧になっている方は、お子さんを応援したいという熱い思いを抱いていらっしゃる方が多いと思うので、食事でサポートした経験を引き続き生かして欲しいと思います。

塾で外食が多かったので、家では野菜を多めにしていました
塾で外食が多かったので、家では野菜を多めにしていました

当日をベストコンディションで迎えるために

私は息子の大学受験をきっかけに、受験フードマイスターの資格を取りました。資格の勉強を通して、スポーツも受験も基本的に大事なのは「食事・睡眠・運動」だと再確認しました。

当日をベストコンディションで迎えるために、私がまず取り組んだのは、試験当日を見据えて体調の変化を起こしやすい食材を見つけることでした。

元気な時は良いのですが、冬場や疲れで免疫力が下がったり(コロナ禍でもありますし)、入試が近くなると極度の緊張やストレスに体が敏感に反応し、体調不良を起こしやすくなります。

腸内環境を整えることも重要で、半年以上をかけて取り組みました。

お弁当も好きなフルーツ、野菜を多めに
お弁当も好きなフルーツ、野菜を多めに

なるべく家での食事やお弁当は写真を撮り、体調の変化があった時、何を食べていたのかを把握して、他の食材で栄養素をとるようにしました。

牛乳が不調の原因であることに気付き、チーズに変更
牛乳が不調の原因であることに気付き、チーズに変更

体調不良が起こった時は、不足している栄養素がないかを写真を見て確認し、積極的に食卓に並べます。例えば疲れやすく貧血気味の時は赤身の肉や魚、お腹の張りがある時は野菜、果物、乳製品などです。

栄養価の高い玄米に変更
栄養価の高い玄米に変更

脳が活動するための栄養素は、エネルギーとしての糖質、神経伝達に必要なアミノ酸が豊富なタンパク質、ビタミン、ミネラルなどで、特別なものはありません。スポーツの試合に必要な集中力や持久力は勉強にも必要なので、同様に考えて良いと思います。

「何を食べたら頭に良いですか?」と聞かれることがありますが、これだけを食べればOKと言う食材はありません。1人1人不足している栄養素や、体調に変化を起こしやすい食べ物は違います。体がベストコンディションを保つために、まずは日々バランスの良い食生活が出来ているかを把握すると良いと思います。

「いつもの食事」が安心材料に

よく相談を受けるものとして、

夜遅くまで起きていて、朝食欲がわかない
帰ってくる時間が遅いので、帰宅後何を食べさせたら良いかわからない
模試の日のお弁当はどのようなものが良いですか

などがあります。スポーツに取り組んでいた時にも、似たような悩みを感じていた方も多いのではないでしょうか。

引退後も、家族ができることはたくさんあります。実際我が家も「いつもの食事」を続けた結果、安心感があったのか体調が安定し、全く心配することなく本番に挑めました。

今までスポーツを応援するために作っていた食事が、受験では1歩も2歩もリードすることにつながるかもしれません。ぜひ、続けてお子さんの力になっていってほしいと思います。

お子さんがまだ小さく、部活動(スポーツ活動)まっただ中の方も、いつか経験する話として心に留めておいていただけると嬉しいです。

【アスレシピ特派員=神奈川県在住・長見恵】