キュウリやナス、ミョウガなどの夏野菜は育てやすく、家庭菜園で栽培している方も多いのではないでしょうか。

毎日採れすぎて、消費が追いつかない…というお悩みもよく聞きます。そんな時は、刻んで混ぜるだけの山形県の郷土料理「だし」を作ってみてはいかがでしょうか。

夏野菜と香味野菜たっぷりで作る「だし」は、炊きたてのご飯やそうめん、そばにかけて食べることが多いと思いますが、私がおすすめするのは、肉や魚などのタンパク質源にかける食べ方です。

ゆでた鶏肉や豚肉、蒸した魚などにかければ、野菜とタンパク質が一緒に摂れるおかずとなり、ご飯も進むのでアスリートにはぴったりです。

水分が多い夏野菜で作るだし。水っぽくならない作り方のコツは、ナスの「共洗い」です。

共洗いとは、化学実験の時に行われる手順で、洗った器具に水滴がついていると対象の液体が薄まってしまうため、その液体で器具の内部を洗ってから実験を始めるというものです。

料理にも同様の手法があり、例えばおひたしなどを作る場合、ゆでた野菜の水分をしっかり絞っても水けが残っていますが、絞った後に少量のしょうゆをかけ、もう一度絞ってからおひたしの味付けをすると、味がぼやけず作ることができます。

この方法は「しょうゆ洗い」と言われ、おひたしのほか、ブリの照り焼きの下処理などにも行います。臭み消しにもなるので一石二鳥です。「だし」を作る時には、水分の多いナスにこの手法を使い、水っぽさを防ぎます。

夏野菜の「だし」

夏野菜の「だし」

材料
ナス…1本
キュウリ…1本
ショウガ…30g
ミョウガ…2本
シソ…5枚
納豆昆布…15g

<調味料>
しょうゆ…大さじ5
みりん…大さじ1
酢…大さじ1
白だし…小さじ1
砂糖…小さじ1

作り方
❶調味料を混ぜておく。
❷ショウガは皮をむいてみじん切りに、他の野菜は5mm角にそろえて切る。ナスは3分ほど水にさらす。
❸ナスの水けをきってボウルに入れ、合わせた調味料を大さじ1加えて混ぜ、5分置く。
❹出てきた水分をきり、すべての材料と残りの調味料を入れて混ぜ合わせる。

※すぐに食べるより、1日冷蔵庫で寝かせると味がなじんでおいしいです。
※ゆでた肉や蒸した魚にソースとしてかけてお召し上がりください。
※清潔な保存容器に入れ、取り出す時にはその都度専用の清潔なスプーンを使うようにすれば、3~5日ほど日持ちします。

【アスレシピ特派員=三重県在住・恩田美和】