日に日に暖かくなってきて、色の濃いお野菜がおいしい季節になってきました。
昔から「緑黄色野菜を食べましょう」と言われていますが、それはこれらの色のもとになる色素には淡色野菜にはない特別な働きがあるからなんです。
そしてその色素も、それぞれの色によって成分や機能が少しずつ違います。
たとえば、ホウレン草やブロッコリーなどの緑色はクロロフィルという成分で、抗酸化作用やコレステロールを調整する働きがあると言われています。
紫色のナスやブルーベリーには、アントシアニンという成分が含まれ、こちらは加齢による視力低下を防ぐ効果があります。サプリメントにもなっていますね。
今回の黒コショウ炒めにはパプリカを使いますが、ぜひ黄色と赤の2色を取り入れることをおすすめします。
同じパプリカでも、赤いパプリカにはカプサイシンが多く含まれています。カプサイシンと言うと唐辛子をイメージしますが、パプリカには唐辛子のような辛みはほとんどなく、高い抗酸化作用があります。
一方、黄色のパプリカにはビタミンCやルテインが豊富で、美肌やお肌の老化防止の効果が期待できます。
このように、違った色の食材を取り入れるように工夫することで、ひとつのお料理でより多くの栄養素を摂ることができ、効率よくバランスの良い食事に近づけることができます。
今回の味付けのポイントは黒コショウ。できればホールの黒コショウをミルでひいて、多いかな? と思うくらいかけるとおいしいです。
お子さまが食べるときには 黒コショウを入れなくても。甘辛くてご飯が進む味付けなので、おかずにもおつまみにもなる1品です。
牛肉とカラフル野菜の黒コショウ炒め
◆材料(2人分)
牛肉(焼き肉用)…200g
グリーンアスパラ…2本
タケノコ(水煮)…50g
パプリカ(黄・赤)…各1/2個
酒…小さじ1
塩、コショウ…各少々
片栗粉…大さじ1
油…大さじ1
<調味料>
しょうゆ…大さじ2
酒…大さじ1
砂糖…大さじ1
黒コショウ…たっぷり
◆作り方
❶牛肉は一口大に切り、酒、塩、コショウ、片栗粉の順にもみ込む。
❷アスパラは根元の皮をむいて3cm幅に切り、パプリカとタケノコは大きさをそろえて一口大に切る。
❸黒コショウ以外の調味料を合わせておく。
❹フライパンに油を入れて中火にかけ、アスパラ、パプリカ、タケノコを炒める。
❺それぞれに焦げ目がついて火が通ったらいったん取り出す。
❻同じフライパンで牛肉を炒め、色が変わってきたら野菜と調味料を入れ、とろみがつくまで炒める。
❼タレが全体に絡んだら、黒コショウをたっぷりかけて出来上がり。
牛肉は炒めすぎると固くなってしまうのと、野菜はそれぞれ火の通る時間が違うので、少し手間はかかりますが野菜を先に炒めて、おいしく仕上げてくださいね。
【アスレシピ特派員=三重県在住・恩田美和】