アスレシピでもよく目にする「補食」。以前、補食はとるタイミングが重要というレポートを書きましたが(「タイミングを逃さない“補食”で、筋肉の分解を防ごう」)、成長期に補食が大切な理由がもうひとつあります。

 運動部やチームでスポーツをしている子どもは、運動量が多いためたくさん食べることが必要です。しかし、成長期は内臓が未熟なため、1回の食事量を増やしてしまうと、消化しきれない分は中性脂肪として体に蓄積されてしまいます。場合によっては脂肪肝になってしまう例も聞きます。中高生になり、体は大きくなっていても、臓器はまだまだ未熟なのです。

 つまり、朝昼晩3回の食事の量を増やすのではなく、数回の補食を加えることが、内臓にも負担をかけずにエネルギーを補給できる食べ方になります。1日に食べる全体量が増えるので、体も大きくすることができます。体の小さいお子さんや食が細いお子さんも、1日3食と決めず、数回の補食を加えることをおすすめします。

補食は「補う」食事

 補食ではエネルギーや栄養素を補うと考えると、運動で消費した分のエネルギーと細胞に栄養素をとり込む「糖質」、傷ついた筋繊維の回復や体を作る「タンパク質」の2つを意識できればいいと思います。

 脂質は3回の食事で十分摂れるため、補食では消化に時間のかかるスナック菓子やケーキ、揚げ物など、脂質を多く含んだものはなるべく食べ過ぎないほうがいいでしょう。

 今回紹介するのは、運動後に効果的な食材を組み合わせたおにぎらずです。具は、ビタミンB1が多く疲労回復やスタミナ増強に効果がある「豚肉」を、ゆずの搾り汁を加えたタレでショウガ焼きにしたものと、βカロテン、ビタミンC、カルシウムなどが豊富な「小松菜」と「ニンジン」を使ったナムルです。ショウガ焼きのタレに加えたゆずの搾り汁からは、ビタミンCや疲労物質を早く代謝させるクエン酸が摂れるので、さらに疲労回復の効果がアップします。

 ショウガ焼きとナムルは作り置きができるので、お弁当までは作る時間がないときでも、ご飯に挟むだけですぐに持たせることができます。子どもたちからも、片手で手軽に食べることができ、しっかり栄養も摂れるということで好評です。

<小松菜とニンジンのナムル>

調理時間:10分
材料:3~4人分
小松菜…1束
ニンジン…1/2本
塩麹…小さじ1と1/2
ゴマ油…大さじ1
すりゴマ、塩…各適量

作り方
①ニンジンは細切りにし、小松菜は3~4センチくらいのざく切りにし、塩ゆでする。
②ボウルに塩麹とゴマ油を入れ、よく混ぜておく。
③①の水けをよく絞り、②に加えてあえる。器に盛り、すりゴマをかける。

<ゆず風味の豚ショウガ焼き>

調理時間:10分
材料:3~4人分
豚肉(ショウガ焼き用)…300g

<A>
ゆず…1/2個
しょうゆ…大さじ2
みりん…大さじ2
酒…大さじ2
てんさい糖…小さじ1
おろしショウガ…1片分
塩、コショウ…各少々

作り方
①ゆずは果汁を搾り(約大さじ1くらい取れます)、皮は薄くむいて千切りにする。
②Aを混ぜ合わせる。
③豚肉に軽く塩コショウし、熱したフライパンで両面を色よく焼く。火が通ったら②を加え、絡めながら焼く。

藤木香織(大阪府堺市)

スポーツ栄養コンディショニングアドバイザー、調理師、2ツ星栄養コンシェルジュ®
アスリートやスポーツをする子どもの栄養相談、クラブや学校での講義、料理教室などを行う。
学生時代はサッカー部に所属していた男子のママ。