いよいよ本格的な夏。暑い時は食欲も落ち、冷たい素麺や冷麺などが増えて野菜やタンパク質が不足しがちになります。しかし、暑い時こそしっかり栄養を摂っておくことで疲労度は軽減されます。そこで、並べてオーブンで焼くだけと簡単な一品を紹介します。

 外で運動することの多いアスリートは、紫外線を浴びることでたくさんの活性酸素が発生してしまいます。紫外線により発生する活性酸素は一重項酸素。それに対し、高い抗酸化力を発揮するのが植物や生物が作り出す色素成分「カロテノイド」です。緑黄色野菜など色の濃い野菜は、このカロテノイド色素で紫外線から身を守っています。

 生野菜も酵素が摂れるのでいいのですが、加熱調理のメリットは野菜をたくさん摂れること。また、この時期に多い食中毒の原因となる微生物も、加熱によって殺菌することができます。消化もよくなり、野菜に含まれるビタミンAやEは油と一緒に摂ることで吸収率も上がります。抗酸化物質のビタミンACEはお互いに助け合うので、一緒に摂るとその作用を強める効果もあります。

 体の材料になるタンパク質とともにとり入れて、夏を元気に乗り切りたいですね。 

 
 

<チキンと夏野菜の抗酸化ぎゅうぎゅう焼き>
調理時間:40分
材料:3~4人分
鶏もも肉…500~600g
ズッキーニ…1/2本
カボチャ…1/8個
赤パプリカ…1個
レンコン…10センチくらい
ヤマイモ…10センチくらい
タマネギ…1個
ナス…1個
オクラ…1パック
ブロッコリー…1/2株
ミニトマト…8個
シメジ…1/2パック
ニンニク…3、4片
オリーブ油…大さじ4~5
海塩、黒コショウ…各適量

作り方
①オーブンは200℃に予熱する。
②野菜はどれも大きめにカットする。鶏もも肉は4~5センチ角くらいにカットし、少し常温に戻し、強めに塩コショウをもみ込む。
③オーブンの天板にクッキングシートを敷き、野菜、肉を彩りよく並べる。オリーブ油を全体にかけ、海塩、コショウをふり、包丁の背でつぶしたニンニクを散らす。

 
 

③200℃のオーブンで約30分焼く。

 野菜や肉を並べて焼くだけなので、焼いている間に違う作業ができ、とても効率良く作ることができます。今回はシンプルにしましたが、香草(ローズマリーなど)を一緒に入れて焼いてもおいしいです。

 食べる時にレモンを搾ると、ビタミンCやクエン酸が摂れるので、疲労回復にも効果があります。野菜は季節によって好きなものを入れたり、お好みで増減して下さい。

藤木香織(大阪府堺市)

スポーツ栄養コンディショニングアドバイザー、調理師、2ツ星栄養コンシェルジュ®︎
アスリートやスポーツをする子どもの栄養相談、クラブや学校での講義、料理教室などを行う。
学生時代はサッカー部に所属していた男子のママ。