<キッチンは実験室(2):光るグミの正体は?>

 みなさん、こんにちは。キッチンの科学プロジェクト(KKP)の「みせす」です。

 写真をご覧ください。左は、ある飲み物で作った手作りグミです。部屋を真っ暗にして、これにブラックライト(注1)を当てると…何と、光り輝く「光るグミ」になります(右)。

 さて、ある飲み物とは何だと思いますか?

 答えは「栄養ドリンク」です。このグミは、栄養ドリンクとゼラチン(注2)と水あめを加熱しながら混ぜて、冷蔵庫で冷やして作ったものです(レシピは最後に掲載)。

 ブラックライトや強い光を当てると光ることを「蛍光」と言います。蛍光灯も同じ原理で、蛍光するものには蛍光する色の素、つまり「蛍光色素」が入っています。栄養ドリンクには蛍光色素の1つ、「ビタミンB2(リボフラビン)」が入っていたために光り輝いたのです。

強く光るほどビタミンB2が多い

 それでは、家庭にある他の食べ物にも光を当ててみましょう。

 納豆のネバネバやきなこ、玄米などがほんのり光っています。これらの食べ物にはビタミンB2が含まれており、強い光を出すものほど、含有量が多いことが分かります。

 同じ食品同士で比べてみましょう。白米と玄米に光を当てると、玄米の方が光ります。玄米にビタミンB2が含まれていることが分かります。

 普通の水あめと麦芽水あめ(昔ながらの麦芽からできた茶色透明の飴)を比べると、麦芽水飴は光りますが、普通の水飴は光りません。麦芽水飴は、お米やサツマイモのでんぷんを麦芽によって甘みを引き出した糖化したもので、お米をよく噛むと口の中で甘くなるのと同じ原理です。麦芽水飴は漢方薬の原料である生薬、「膠飴(コウイ)」としても用いられ、食物酵素を含んでいるため虚弱体質の改善やお腹の調子を立て直す働きがあるといわれています。水飴など、同じように見えるものでも、実は種類によって全然栄養価が違うのです。

働きは代謝、エネルギーの素が不可欠

 それでは、栄養ドリンクにビタミンB2が入っていたのはなぜでしょう?

 私たちは食べ物を食べることで元気をもらいますが、それらを消化吸収し、身体の中で必要なものに変えていくには、代謝というプロセスが不可欠です。ビタミンB2には糖質や脂質を代謝する働きがあり、「成長・脂質燃焼ビタミン」という愛称まであります。

 栄養ドリンクには、主にそのようなビタミン類が入っているため、普段の食事で食べたものを効率良くエネルギーに変えてくれると考えられています。つまり、栄養ドリンクやサプリメントだけをとり続けても、炭水化物、タンパク質などの「エネルギーの素」や「身体を作る素」がなければ、元気な身体は作れません。

 この実験により、バランスよく食べることがいかに大切か、栄養ドリンクやサプリメントだけに頼ることのない食生活の重要性が分かりましたね。このように科学を通じて、ビタミンB2の可視化をしながら普段食べているものを見直してはいかがでしょうか。

 ちなみにビールは、麦芽が入っているので光ります。お子様と一緒に、食卓でできる科学実験を是非お楽しみください。

<家庭でできる実験レシピVol.2「光るグミ」>

■材料
・栄養ドリンク…大さじ2(ビタミンB2の成分が入っているもの)
・ゼラチン…5g
・麦芽水あめ…大さじ1
・グミ型(シリコン型)

■作り方
(1)紙コップに材料をすべて入れて軽く混ぜた後、電子レンジで500W30秒加熱。
(2)溶けたら熱いうちにグミ型に流し込む。
(3)冷蔵庫で1時間程度冷やし固める。
(4)グミ型から取り出す。

※注1=ブラックライトはホームセンター等で購入できます。紫外線の1つでエネルギーが大きいので、直接目で見ないようご注意ください。

※注2=ゼリーとグミの違いはゼラチンの量で変わります。グミはゼリーより、ゼラチンの量が多いので硬くなります。噛むためのおやつとして近年にドイツで始まったのが発祥と言われています。

金子浩子

子ども向け食育ボランティア団体「キッチンの科学プロジェクト(KKP)」代表・講師
東京薬科大生命科学部卒/群馬大学大学院修士(保健学)。中・高校教諭一種免許状(理科)取得
国際薬膳師・国際薬膳調理師・中医薬膳師。キッズキッチン協会公認インストラクター。エコ・クッキングナビゲーター