ママ特派員の入江慶子さん(東京都墨田区)による、息子さんの小食改善記です。第2回目は具体的な方法を紹介します。

焦りから自覚が芽生えはじめ…

 生まれた時から小食の息子が、食を意識して取り組むようになったのは、「焦り」からだと思います。

 中学に上がると、さらに周りとの体格差が大きくなり、プレーが激しくなるにつれ、当たりも強くなるので、飛ばされないように身体を大きくしたいと意識しはじめるようになりました。

 とはいえ、すぐに量を食べられたわけではありませんでした。

ご飯・主菜・汁物の3品に栄養を盛り込む

 試行錯誤するなかで、味噌汁などの汁物に具をたくさん入れると、量を食べられることに気づきました。そのため、品数の多いフルコースの献立にするのではなく、「ご飯・主菜・汁物」の3皿で栄養をカバーすることにしました。

 スポーツ栄養を学んだ中で、「まごわやさしい」の汁物で栄養がすべて揃うと学んだので、それを信じて実践しました。食べてくれなくてイライラするくらいなら、最初から汁物とご飯でいいやと思うようになってから、息子もストレスなく食事の時間を楽しめるようになった気がします。

 今でもよく作る、基本の「かしわ汁」を紹介します。

栄養たっぶり、具だくさんの「かしわ汁」
栄養たっぶり、具だくさんの「かしわ汁」

<かしわ汁の作り方>
*[具材]*
鶏肉、ゴボウ、レンコン、ダイコン、ニンジン、キャベツ、シメジ、糸コンニャク
*[作り方]*
①鶏肉と野菜類は大きめに切り、だし汁で味噌汁を作る。
②仕上げに日本酒、醤油、塩を少々加えて味を整える。

 圧力鍋で作ればより簡単で、鶏肉を豚にしてもいいですし、補食として持たせるのもおすすめです。

スープジャーなどに入れて補食として持たせていました
スープジャーなどに入れて補食として持たせていました

 大きめの根菜類を入れることで咀嚼(そしゃく)力もアップします。激しいスポーツをする場合、踏ん張るときや、投げる&蹴るの動作で歯を食いしばりますが、よく噛むことで顎が鍛えられるとスポーツの場面で力を発揮しやすくなるようです。

こまめに食べる習慣をつける

 そして、もうひとつ実践したことは、食事の回数を増やすことです。

 食事というと3食が当たり前と思い込んでいましたが、食の細い子は3回の食事だけでは栄養がまかなえません。スポーツをしているなら尚更です。

 食事以外の時間でも口にできるときは、こまめに食べさせるようにしました。お菓子ではなく、おにぎりやパスタ、そば、うどんなどの補食を用意し、1日に5~6回は食べていました。そうすることで、結果的に1日の食事の量が増え、1回の食事量も少しずつ増えていきました。

<小食改善のための1日の食事の流れ(中学生の時)>
朝…ご飯・味噌汁・おかず(卵やノリなど)
昼…給食
帰宅後の補食…おにぎり、もち、パンなど
練習前の補食…パスタ、うどん、そばなど
夜…ご飯・主菜・味噌汁

 こうして徐々に食べることを増やしていきましたが、息子の方も半信半疑なところや、まだまだ受け身な部分もありました。

 しかし、中学3年生の公式戦が始まる前に腕を骨折してしまい、その時はさすがに彼も焦ったようで、「早く復帰したいからどうにかして!」と強く訴えてきたのです。

 それ以降、私は「なぜこの食材が骨にいいのか」「骨にはこの栄養が必要」などを分かりやすく彼に伝えるようにしましたし、彼自身も理解して食べるようになりました。結果、完治までに1カ月以上かかると言われていたケガでしたが、3週間ほどで復帰することができ、その経験を通して、初めて彼自身も、食の大切さを実感したようでした。

 高校生になった今は、さらに食べる量も増え、お弁当の前と、練習前後にも補食を食べています。1日のトータルでみると量はかなり食べられるようになり、彼にとってはそれが当たり前になってきたようです。

放課後に練習試合があったときの補食/豚ロースのミニ丼、塩おにぎり、玄米パン、フルーツ、プチトマト、豚汁
放課後に練習試合があったときの補食/豚ロースのミニ丼、塩おにぎり、玄米パン、フルーツ、プチトマト、豚汁

 息子も私もまだ「夢の途中」で、これからも頑張りは続きます。やっとスタートラインに立てたかなという気持ちです。息子はケガ以降、私に何かを強く訴えることはなく、日々私が作るお弁当や補食を黙々と食べていますが、その空になったお弁当箱を見るにつけ、“俺、頑張ってるから!”と訴えているように私には思え、同時に成長も感じています。

 今回紹介した、ご飯・主菜・汁物で栄養を補う食事法は、仕事をしている私でも実践できた方法です。何皿も用意するのは作る方も大変ですし、小食な子にとったら、それだけでストレス。忙しいお母さんも取り入れやすい方法だと思います。

入江慶子(東京都墨田区在住)

スポーツ栄養コンディショニングアドバイザー。
一般社団法人クラブディポルディーボエスペランサ理事。
都内名門校のサッカー部に所属する高校2年生男子のママ。