ママ特派員・佐藤ともこさん(千葉県千葉市)の中学1年の娘さんはセーリングに夢中。冬の海でも練習を積む過酷な競技を食事でサポートしています。
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 中学1年の娘はセーリング(ヨット)に夢中です。小4の時に、市が主催する体験会に参加したのがきっかけで、そのままクラブに入会しました。ヨット部のある中高一貫校に進学し、全国高校総体、国体出場を目指して、学校→ヨットハーバー→自宅を行き来する毎日を送っています。

セーリングは風速10メートルを超える強風下でも行われるハードな競技
セーリングは風速10メートルを超える強風下でも行われるハードな競技

 「セーリング」と聞いて、どんな競技か分かる方は少ないでしょう。少し説明をします。

 オリンピックの正式競技で、リオ五輪では女子470級で5位入賞。1996年アトランタ大会で女子470級が銀メダル、2004年アテネ大会では男子470級が銅メダルを獲得しています。

 娘の種目は「オプティミスト(OP)」という15歳までの選手が登録できるもの。全長2.31メートル、全幅1.13メートルの1人乗りの艇に小ぶりの帆を1枚立てて、決められたポイントを通過し、風力のみで速さを競います。スタート地点からは風上に向かって走るのが基本なので、真っ直ぐは走れず、角度をつけて上れるように自分で風向き、潮、地形を考慮して、コースを考えます。

 1レースは約1時間。多いときは1日5レース行います。コースの海面までも自力で行くので、朝8時過ぎにヨットハーバーから出て行って、戻ってくるのは日没近くということも、よくあることです。

 強風、大うねりの中でも全身を使って艇をコントロールするので、瞬発力、持久力、判断力を必要とします。きちんと食事をとらずに出艇して、体力が続かずにリタイアしたり、極寒の冬の海に落ちて低体温になったり、逆に日陰のない炎天下でのレースで脱水症になり、レースを断念せざるを得ないこともありました。

 そんな過酷な条件下でも簡単に食べられ、「沖飯」に適しているのは、おにぎらず。長い遠征時は炊飯器持参で、宿泊地でご飯を炊き、好みの具材を海苔でくるんで持たせます。片手で食べられ、エネルギー補給し、栄養価も高く調整できます。

食べやすさと栄養価が沖飯の必須条件です
食べやすさと栄養価が沖飯の必須条件です

 娘の好きな具材は、鶏ハム×アボカドと小松菜のたらこ和え。旬の食材や開催地の地方食材を取り入れると、単調になりがちな沖飯でも、食事の楽しさを実感できます。

 1日がかりのレースに耐えられるだけの体力をつけるのは、日々の食事がとても大切です。大きな大会だと、レースは4日間にわたることもあります。私はヨット経験者ではないので、技術面でのアドバイスはできませんが、せめて体力で悔いの残ることがないようにと、毎日の食生活に気を付けています。日頃の食事からしっかり体を作り、万全の状態でパフォーマンスを発揮して欲しいと願っています。

佐藤ともこ(千葉県千葉市在住)

調理師、食育インストラクター、フードアナリスト2級認定講師。
お料理教室主宰。
セーリングで全国高校総体出場を目指す中学1年生女子のママ。