前回のコラムで「EAA」、つまり必須アミノ酸についてお伝えしましたが、今回は必須でないアミノ酸、「非必須アミノ酸」についてお話をします。

選手にタンパク質やアミノ酸の説明をすると、「非必須アミノ酸は必要ないの?」と聞かれることがあります。栄養学的な「必須」とは、必要か必要でないかということではなく、「体の中で合成可能か、合成できないのか」ということで、もちろん「非必須アミノ酸も必要」なものです。

非必須アミノ酸も必要なもの

非必須アミノ酸は11種類あります。アスパラギン、アスパラギン酸、アラニン、アルギニン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、システイン、セリン、チロシン、プロリンになります。

それぞれ役割を見てみましょう。

アスパラギン
エネルギーの産生をサポートし、肝機能の保護などに働きます。最初に発見されたアミノ酸で、アスパラガスの芽から発見されました。

アスパラギン酸
エネルギーになりやすく、老廃物の処理、疲労回復に関わります。

アラニン
糖質代謝に重要で、エネルギーに利用されやすいアミノ酸です。肝機能のサポートをします。

アルギニン
成長に重要な働きをするアミノ酸です。免疫機能の向上などにも役立ちます。

グリシン
眠りを深くする効果があり、皮膚のコラーゲンの構成成分です。美肌には必要です。

グルタミン
筋肉中に多く、筋タンパクの合成に関わります。胃腸粘膜を形作る細胞の合成を促進し、 消化吸収や腸からの病原菌の侵入を防ぐ胃腸粘膜保護を行います。

グルタミン酸
うま味成分の1つです。疲労回復や即効性のあるエネルギー源となります。

システイン
皮膚のシミの原因となるメラニン色素の生成を抑制する働きがあります。

セリン
リン脂質やグリセリン酸の材料となります。肌の保湿成分グリシンの原料となり保湿に働きます。

チロシン
必須アミノ酸のフェニルアラニンから生成され、神経伝達物質のアドレナリン、ドーパミンなどの生成に関わります。

プロリン
コラーゲンの構成成分で壊れたコラーゲンの修復をします。また、脂肪燃焼にも関わり、エネルギー源として利用しやすいアミノ酸です。

非必須アミノ酸は、体内で糖質、脂質から作り出すことのできるアミノ酸ですので、必ずしもそれ自体を摂取する必要はありませんが、体内で重要な役割を果たしているものも多く、体作りにも必要となってきます。日頃から、タンパク質、糖質、脂質といったバランスの良い食事をすることで、これらの非必須アミノ酸も体に満たされるようになります。

今回紹介するレシピは「豚肉とブロッコリーのみそ炒め」です。ショウガ、ニンニクの効いた甘いみそが豚肉とブロッコリーに絡み、ご飯が進みます。ぜひ、お試しください。

管理栄養士・舘川美貴子