<新潟の食材で作る勝ごはん(1)>

 育ち盛りのジュニアアスリートにとって、最も大切なことの1つが「食」。今回から8回にわたり、新潟県の食材を使ったアスリート食を紹介します。指導は、アテネ・北京オリンピックで代表チームをサポートした管理栄養士・川端理香さん。スポーツ選手にとっての基本形から筋力や持久力アップなどの目的別、そして試合当日のお弁当までを、簡単に、安くつくるメニューです。

食事でエネルギーをしっかりとる

 スポーツでエネルギーは使われます。このエネルギーを食事でしっかりとることが、強い身体をつくることや良いコンディションをキープすることにつながります。

 ただしやみくもに何でも食べれば良いというわけではありません。余計な体脂肪をつけずに、スポーツに必要な筋肉や血液、骨などをつくるには、それぞれに必要な栄養素を食事からとること。

 それらの栄養素を上手に食事からとるコツは、①主食②主菜③副菜④汁物⑤果物⑥乳製品をとることです。

 ①⑤は運動に必要なエネルギーを、②⑥は体をつくる栄養素を含みます。または良いコンディションをキープするために必要で、は水分補給になります。まずは①~⑥を全てそろえてから食べることでスポーツ選手に基本的な食事ができます。

主食=ご飯、主菜=鶏肉のかんずり焼き、副菜=コロコロサラダ、汁物=のっぺい汁、果物=オレンジ、乳製品=黒ごまヨーグルト
主食=ご飯、主菜=鶏肉のかんずり焼き、副菜=コロコロサラダ、汁物=のっぺい汁、果物=オレンジ、乳製品=黒ごまヨーグルト

汁物はスポーツドリンクと同じ成分

 汁物はどんな種類でも必ず水分と塩分を含みます。味はしょっぱいのですが、実は栄養成分はスポーツドリンクと同じ。スポーツ選手は運動中はこまめに水分を補給することが薦められますが、食事の際にも水分をとることは熱中症の予防にもつながります。

 また単純に水ではなく、汁物でスポーツドリンクと同じ成分をとることは、発汗で失われた栄養素も補給できます。のっぺい汁の良さはそういった水分補給はもちろん、多くの食品がとれること。1種類だけよりも多くの食品をとることは、それだけいろいろな栄養素が摂取できるということです。

 野菜の種類が多くとれるのっぺい汁は、煮込むことで野菜のかさが減り、量もとりやすくなります。また体づくりに欠かせないタンパク質を多く含む食品も、サケや鶏肉などを変えるだけで簡単にアレンジができます。

<材料と作り方(1人分)>

材料

■ご飯
精白米…160g

■鶏肉のかんずり焼き
鶏もも肉…120g
醤油…大さじ1/3
みりん…大さじ1/2
かんずり…小さじ1

①肉は大きめに切る。
②袋に全ての材料を入れてよくもみ、15分以上おく。
③フライパンに油をひき、②を強火で両面をさっと焼いたら弱火にし、中まで火が通るまで焼く。

鶏肉のかんずり焼き

■コロコロサラダ
ナス…1/2個
キュウリ…1/3本
チーズ…1個
塩、コショウ…少々
マヨネーズ(低脂肪)…大さじ2
ミニトマト…3個

①ナス、キュウリ、チーズはサイコロ状に切る。
②ボウルに①と調味料を全て加えてよくあえる。
③器に盛り、トマトを飾る。

■のっぺい汁
サケ…30g
ニンジン…20g
レンコン…30g
タケノコ(水煮)…20g
里芋…4個
コンニャク…20g
干しシイタケ…1個
三ツ葉…少々
水…300ml
醤油…小さじ1
みりん、酒…大さじ1/2
塩…少々

①シイタケはもどす(もどし汁は水に含めます)。野菜とサケは食べやすい大きさに切る。
②鍋にシイタケの戻し汁と水を入れて、ニンジン、タケノコ、レンコン、コンニャク、里芋を入れて、沸騰したらサケを加えて煮込む。
③材料がやわらかくなったら調味料を加える。
④器に盛り、三ツ葉をのせる。

■果物
オレンジ…1個

■黒ごまヨーグルト
プレーンヨーグルト…100g
黒すりゴマ…小さじ3
ハチミツ…小さじ1

※1食分あたり=エネルギー/1065キロカロリー

※指導=管理栄養士・川端理香氏、協力=表参道・新潟館ネスパス

(2016年8月23日付日刊スポーツ紙面掲載)