バレーボール男子日本代表として2021年のアジア選手権で活躍した宮浦健人選手(22=ジェイテクトSTINGS)は、大学時代から食事について強く意識するようになった。ユース日本代表でエースとしてアジア大会優勝、世界大会銅メダルの成績を残した190センチのサウスポー。パワーとコースを打ち分ける技術を兼ね備えた実力派ルーキーに食事について話を聞いた。【聞き手・中西美雁】

試合中、笑顔を見せる宮浦(撮影・黒羽白)
試合中、笑顔を見せる宮浦(撮影・黒羽白)

-中高生の頃は食事についてどんな意識を持っていたか

(鎮西)高校では栄養指導もあったんですけど、まだちょっとそこまで意識してなかったのかな。意識が変わったのは、早大に入ってから。大学には栄養士の方もいて、食事の管理もできていた。ウエイトトレーニングを始めるようになって、そのトレーニングや練習した意味をなくさないように、栄養管理をしっかりしたことで、体重もうまく増えました。パフォーマンスのレベルも上がって色んな部分が成長できたので、栄養はすごく大事なものだとそのときに痛感しましたね。

-社会人アスリートとなった今は

今は寮で食事をとっていますが、大学の頃と変わらず、食事については本当に意識しています。食事がうまくとれず、栄養が不足していると感じるときは、サプリメントで補給しています。

宮浦の試合前の食事(ジェイテクトSTINGS提供)
宮浦の試合前の食事(ジェイテクトSTINGS提供)

-日本代表として海外遠征する際の食事での苦労は

海外では油が多い料理が多くて、バランス良く食べるのがすごく難しかったです。野菜も少なかったり、生野菜が食べられなかったりとか。でも「食べない」という選択はないので、その中でもうまくやるようにしていました。

-好きな食べ物と嫌いな食べ物は

焼き肉が好きですね。韓国料理も結構好きです。嫌いな食べ物はバナナです。

-バナナはよく試合中などの栄養補給に使われるが

バナナの他にもトマトが苦手です。トマトは我慢して食べますが、バナナは本当に苦手なので、エネルギー補給という面ではゼリーを使っています。

スパイクに入る宮浦(撮影・黒羽白)
スパイクに入る宮浦(撮影・黒羽白)

-子どもの頃に苦手でも食べられるようになったものは

トマトは子どもの頃はめっちゃ苦手だったんですけど、今は好きではないですけど、なんとか食べられるようになりました。

-それはやっぱり栄養のことを考えて?

そうです。それ以外にないですね(苦笑)。

-「おふくろの味」といえば

肉じゃがやショウガ焼きが好きでした。色々な料理を作ってくれましたが、印象に残っているのはその2つです。

-部活に作ってもらったお弁当での思い出は

中学校の頃は毎日お弁当で、「自分がもっと食べたい」と言ったらたくさん作ってくれたり。栄養の面でもすごく考えてくれていたので、すごく助かりました。

試合中、ガッツポーズで仲間と声を掛け合う宮浦(ジェイテクトSTINGS提供)
試合中、ガッツポーズで仲間と声を掛け合う宮浦(ジェイテクトSTINGS提供)

-中高生アスリートについて食事についてのアドバイスを

中高生は、体もパフォーマンスも技術的にもメンタルの部分でもすごく成長できる時期だと思っています。それらをより成長させるには、練習の中でも成長できると思いますが、やったことを無駄にしないためには栄養管理も大事になってくる。そこがしっかりしていたら、次の練習、次の試合でもよりいいものを見いだすことができると思うので、食は練習と同じくらい大事なことだと思います。みんな意識して取り組んでほしいなと思います。

ジャンプサーブを放つ宮浦(撮影・黒羽白)
ジャンプサーブを放つ宮浦(撮影・黒羽白)

宮浦健人(みやうら・けんと) 1999年2月22日生まれ。熊本県荒尾市出身。8歳で、兄の影響からバレーボールを始める。鎮西高から早大に進学し、インカレ4連覇に貢献。2020-21シーズン、ジェイテクトSTINGSに内定選手として入団。2021-22シーズンは主砲としてチームを牽引している。2021年度の日本代表に登録され、9月のアジア選手権で準優勝に貢献した。190センチ、86キロ。