<#ファッションチェック>

巨人亀井善行外野手(38)こだわりの「14年選手」にフォーカスする。

巨人亀井のベルト
巨人亀井のベルト

14年間、愛用してきた“物差し”が順調な調整を示している。亀井は13日、S班那覇キャンプで気持ちよさそうにバットを振り込んだ。「この時期はバッティングが“バグる”んだけど、今日はたまたま振った。明日からは謙虚にやります」。強振した打球は右翼スタンド後方の防球ネット上段にまで到達。超特大弾を含む柵越え3連発で締めくくった。

囲み取材に応じる巨人亀井(撮影・江口和貴)
囲み取材に応じる巨人亀井(撮影・江口和貴)

今季で39歳。中島と並びチーム最年長になった。生え抜きでは断トツの最長在籍で笑いじわも年々、増えてきた。腰に巻き付けたベルトもしわだらけ。「これは14か15年は使っている。試合もずっとこれ。撮影のときも。このベルトはフィットするんだよね」。少し照れくさそうに、年季の入ったベルトに手をやった。

5つの穴が状態のバロメーターになる。キャンプインは、やや脂肪を蓄え2つ目。キャンプ終盤は、3つ目でシーズン中のベスト。夏場の疲労で食が落ちれば4つ目。「例年はこの時期は2つ目なんだけど、今は3つ目。2つ目は腹が出てるの。だんだんキャンプで絞って3つ目になる。下手すると4つ目になるけど、基本はシーズン中も3つ目がベスト」と、苦楽をともにしてきた“相棒”からも太鼓判を押された。

今季はFA加入で梶谷も加わり、外野の定位置争いは激化する。亀井は「正直、レギュラーは難しいかもしれないけど、僕は『困ったときに亀井がいる』と言われたほうがうれしい。梶谷もチームが強くなるために来てくれた。うれしいですよ」と胸の内をさらけ出した。S班がスロー調整を意味するものではない。「時間があるときにコツコツやっていかないと」と、早出で打ち込み、シーズンへの下地を固めている。

「野球選手は常に不安なもの。それはみんな一緒だと思う」。不安だから練習するし、探求心と向上心を絶やさない。リーグ優勝、日本一をともに経験してきた無敵の“チャンピオンベルト”で17年目のシーズンに挑む。【為田聡史】

(2021年2月13日、ニッカンスポーツ・コム掲載)