投げては最速143キロ、打っては不動の4番。仙台育英の「両柱」吉野蓮内野手(2年)は、投打二刀流でセンバツに挑む。「打撃には自信がある。持ち味は勝負強さ」と言い切る。昨秋は右肩痛の影響もあり、打者に専念した。東北大会決勝で満塁本塁打を放つなど打率4割3分3厘、11打点をたたき出した。「メンタルは強い方。チャンスの場面だと自然と燃える」と勝負師の顔を浮かべた。

仙台育英の「両柱」吉野(撮影・佐藤究)
仙台育英の「両柱」吉野(撮影・佐藤究)

感謝の気持ちを忘れない。「家族の支えがあって、野球ができている」。寮生ではなく自宅生。冬場以外は片道1時間かけてクロスバイクで通学する。父には月に1度、自転車のメンテナンスをお願いする。家に帰れば、母の手料理が用意されている。「(白米は)どんぶりで食べている。好きな食べ物はタラのホイル焼き。厳しい練習に耐える力の源になっています」。178センチ、81キロの体格を支えるのは、母のサポートもあってこそだ。

昨夏の甲子園交流試合では「7番右翼」で出場も、3打数無安打と快音は響かなかった。「何とか(甲子園で)1本打ちたい。大振りはせずに、気負わない意識で打席に入りたい」と、両親へバットで恩返しする。【佐藤究】

(2021年2月14日、ニッカンスポーツ・コム掲載)