ラグビー・トップリーグ日野レッドドルフィンズに所属する元日本代表フランカー村田毅(32)の妻で、全国に約60人しかいないアスリートフードマイスター1級の資格を持つ村田英理子さんが29日、日本語と英語に対応したレシピ集「GOOD HABIT」(山川出版社)を出版した。プロアスリートが実践している食習慣は、一般の人たちやジュニア選手にもヒントになることばかり。出版を記念して行われたオンラインセミナーでは「村田家の3つのルール」なども紹介された。

レシピ本「GOOD HABIT」の出版記念でオンラインセミナーを開いた村田英理子さん(中央)。右は山川出版社の平井里枝さん、左はMCの徳重杏奈さん

本のタイトル「GOOD HABIT」の意味は「良い習慣」。英理子さんはこれを「良い食習慣」という意味に捉えて使っている。「食事は、昨日食べたから今日いきなり変わる、というものではありません。1度の食事ではなく、長い目で見た食習慣がとても大切だと考えて、取り組んできました」。セミナーでは、村田家の「良い食習慣」が随所に披露された。

アスリートの食事なのに自分にも好影響

結婚してからは、ラガーマンの夫のために作っていた食事。しかし、一緒に取っていると、英理子さん自身にも変化が訪れた。体の調子が良くなって残業による疲れが減り、むくみや肌荒れ、ニキビもなくなっていった。「『あれっ? アスリートのための食事だったのに私自身にも良い効果が感じられる』と、あるとき気づいて、栄養バランスのいい食事の大切さを身をもって感じるようになりました」。

日本代表7キャップの村田毅(2016年4月30日)

アスリート向けの食事というと、筋力アップなど力強さを身につけるイメージがあるが、必ずしもそうではなかった。「筋力に限らず、私たちの体は頭の先から足の先まで全部タンパク質でできているので、いい食事を取っていると肌の生まれ変わりを助けてくれる。そういう意味で、私も女性としていい効果が得られています」とうれしそうに話した。

使い切れない専門用語、普段言葉で理解

村田選手のトレーニングを無駄にしない食事作りを、と思って挑戦したのがアスリートフードマイスターの資格だった。全国に約60人しかいない1級にまで上り詰めたが、今回レシピ本を出版するにあたって、こだわった点は「普段使いの言葉」だという。

「資格試験には、ビタミンA~DやビタミンBでもB1、B6のように、何個も何個も似たような栄養素の名前を暗記して挑みました。テスト自体はパスしましたが、日常の中では正直、使い切れないなと思う部分がありました。私の経験も増えてきたときに、専門的な言葉ではなくて普段使う言葉に落とし込むことが長く続けていくポイントになると思ったので、本でも栄養素の言葉は極力減らして、平易な言葉で書くように心がけました」

村田英理子さん(中央)らが行ったオンラインセミナーの様子(日本アスリートフード協会提供)

3つの習慣、子供も分かる“自己流”表現

セミナーでは「村田家の3つのルール」を紹介した。

①たんぱく源は2種類以上
栄養学的に、20種類のアミノ酸を取り入れる必要があることを、シンプルに落とし込んだ言葉。肉、魚、豆の中から2つ以上摂る。

②野菜は色の濃いものを
ニンジン、ブロッコリーのように、切っても中まで色が濃い野菜の方が比較的、ビタミンが多く含まれている。

③「まごわやさしい」で答え合わせ
8、9割仕上がれば、和食の合言葉「まごわやさしい」(まめ、ごま、わかめ、やさい、さかな、しいたけ、いも、の頭文字)の7品目が少しでも入っているかチェック。

村田英理子さんが紹介した「村田家のGOOD HABIT」

また、タンパク質を4種類の色で分けた考え方も紹介した。見た目とリンクし、低脂質高タンパクの鶏肉やタイ、タラなどの白身魚は白色で表現。鉄分が豊富な牛肉、マグロ、カツオも、見た目通り赤色にするなど工夫している。子供でも分かりやすく「子供に『今日はこの色を組み合わせてみようかな』と選んでもらえるのが、一番うれしいですね」と笑顔で明かした。

アスリートフードマイスター村田英理子さん流のタンパク質の色分け法

毎日同じ朝食にすることでブレない効果

村田家の朝食には、常に「定番の型」がある。前夜から牛乳でふかしたオートミールに、バナナやキウイ、ナッツやチアシード、レーズンなどをトッピングしている。村田選手自身が自分で作り、ほぼ毎日食べているという。

「『毎日同じものを食べる』ことは栄養学的にも大切だと思っています。毎朝同じものを食べて同じように過ごすことで、1日のスタートが一定になるんです。そうすると、日中のパフォーマンスが朝の過ごし方に左右されない。一定の規則正しい生活をすることで、ブレが少なく、いいコンディションを保てるという意識になります」

村田家の朝食。以前は和食スタイル(左)だったが、現在は洋食スタイルへと変換

食卓では、ケガの具合や体調が良い、悪いという話も出るが、英理子さんが貫いているのは、振り回されないこと。「私が左右されたところで状況は変わらない。私がやることは常に一定で、夫が食べるご飯を毎日作ることです。極力ブレないように心がけています。(夫が)アスリートだからこそ、一定でいることが大切だと思っています」。

自分なりの「GOOD HABIT」見つけて

英理子さんが意味する「GOOD HABIT」は「良い食習慣」。これを押しつけるつもりはなく、いろんな人に自分なりの「GOOD HABIT」を見つけて欲しいという。「食事に限らず、運動や仕事、睡眠、何でもいいんです。大切なのは他と比べるのではなく、自分なりにちょっといいことを続けていくこと。自分なりのGOOD HABITを見つけていくきっかけの本になればいいと思います」と話していた。

【アスレシピ編集部・今村健人】