<オフの球児メシ(2)>

中学球児にとって、シーズンオフも成長期に欠かせない栄養素を摂ることが大切です。同時に、野球に必要な瞬発力や持久力、集中力を養うことを目指した食事が必要となります。

最新科学に基づいた食事のポイントをお伝えする「オフの球児メシ」。第2回は管理栄養士で博士(栄養学)の今井菜美さんが、「体づくり&疲労回復のためのお弁当」を紹介します。

必要なエネルギー量=容量と考える

休日の部活のお弁当、どのように準備していますか? 頭を悩ませる方も多いのでは。そんなお悩みについてお答えしていきます。

Q.お弁当箱の大きさは?

「1食に必要なエネルギー量(キロカロリー)=お弁当箱の容量(ミリリットル)」で決めましょう。1食は1日の量の3分の1が目安。個人差はありますが、中学球児なら800~1000ミリリットル程度のお弁当箱がおすすめです。おかずだけを詰める時には、この半分の大きさがジャストサイズ。

Q.お弁当の内容は?

前回、球児が必要な栄養素のフルメンバーをそろえるためには、

(1)主食
(2)主菜(肉・魚・卵・大豆製品などが主材料)
(3)副菜(野菜・イモ・キノコ・海藻類などが主材料)
(4)果物
(5)牛乳や乳製品

の5種類の料理が必要とお伝えしました。給食も基本はこの5種類の構成になっています。お弁当でも同じように、この5種類の料理がそろえられるとベストですね。

Q.詰め方のコツは?

上から見て、主食とおかずは同量が基本。おかずは、主菜が鶏肉の照り焼きや焼き魚などの野菜を含まない料理の場合、主菜:副菜=1:2、つまり「主食:主菜:副菜=3:1:2」で詰めると、1食に必要なエネルギーや栄養素をバランス良く取ることができます(※NPO法人食生態学実践フォーラム)。

今回のお弁当メニューの「鶏肉とレンコンのマスタード焼き」のように、主菜が野菜を含む料理であれば、主菜の割合を少し増やして主菜:副菜=1:1で詰めるのがポイント。これで練習後の疲労回復、午後の練習に向けた栄養補給もバッチリです。このお弁当は、主菜:副菜を1:1で詰めた、タンパク質がしっかり摂れるメニューです。

主菜の鶏肉は、もも肉よりもむね肉の方が高タンパク低脂質。鶏むね肉に含まれるイミゾタールペプチドが疲労回復を助けます。副菜に含まれるツナ、卵でタンパク質の量を少しアップ。副菜にも少しタンパク質源を入れてあげると、球児の体づくりに役立ちます。

※出典URL「3・1・2弁当箱法」 NPO法人食生態学実践フォーラム
https://shokuseitaigaku.com/2014/bentobako

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