<オフの球児メシ(1)>

中学球児にとって、シーズンオフも成長期に欠かせない栄養素を摂ることが大切です。同時に、野球に必要な瞬発力や持久力、集中力を養うことを目指した食事が必要となってきます。

最新科学に基づいた食事のポイントを、管理栄養士で博士(栄養学)の新出(しんで)真理さんと今井菜美さんが4回にわたってお届けします。第1回は「筋力と免疫機能を高める簡単朝食」です。

朝食抜くと筋肉が減る

「筋肉をつけたい」「体を大きくしたい」という相談に加え、「免疫機能を高めたい」という相談が最近急増しています。球児も含め、人間が必要な栄養素やエネルギーを不足なく摂るには朝食が不可欠です。

朝食を抜くと、大切な筋肉が午前中のエネルギー源として消耗されてしまうので、筋トレの効果もダウン。もったいないですね。しかも野球選手同様、栄養素も体内ではチームプレーをしています。「パンと牛乳だけ」とか、「野菜料理なし」の食事は、キャッチャーや内野手なしで試合をするようなもの。

球児が必要な栄養素のフルメンバーをそろえるためには、原則次のような5種類の料理が必要です。

(1)主食 エネルギー源となるご飯やパンなど。不足すると筋肉消耗のリスクあり。
(2)主菜 タンパク質源となる肉や魚、卵、大豆製品が主材料のおかず。免疫機能や筋肉には欠かせません。
(3)副菜 体調を整えるビタミン・ミネラル、食物繊維源となる野菜や海藻、キノコ、イモ類が主材料のおかず。主菜の2倍量が目安。不足すると栄養素のチームプレーがうまくいかないリスクが高い。
(4)果物 副菜に似た働き。
(5)牛乳・乳製品 タンパク質とカルシウム源。

とはいえ、朝食は作る人も食べる人も時間がないことも多いのが現実です。そこで今回は、料理に不慣れな人でも簡単に作れる朝食メニューを紹介しましょう。

主食」はおにぎりにすると食べやすい上、かつお節やゴマでミネラル量もアップします。

主菜」の厚揚げは大豆製品なので高タンパク。肉に比べカルシウムや鉄分が多い上、ビタミンEも摂れ、コレステロールも含まないおすすめ食材です。1日1回は大豆製品を摂れば、もう“栄養上級者”です。

副菜」のカボチャやブロッコリーは、粘膜を丈夫にして免疫機能を高めるビタミンAが豊富。スープのマイタケは、骨や筋肉づくりに役立ち、免疫機能を高めるビタミンDが多く含まれ、キノコ類ではトップクラス。朝から球児の筋力と免疫機能アップに役立ちます。【新出真理】

<ワンポイントアドバイス>
筋肉も 免疫もカバー 朝ご飯
厚揚げは 肉の代わりのタンパク源
マイタケは 免疫機能の サポーター

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