大好きな「海」を前に決意を新たにした。日本ハムのドラフト1位、苫小牧駒大・伊藤大海投手(23)が1日、苫小牧市内で契約金1億円プラス出来高払い、年俸1500万円で仮契約を結んだ。訪れた同市内の漁港では漁船をバックに「日本一」と書かれたホッキ貝を持ち意気込んだ。ホッキ貝の漁獲量日本一の港から日本を代表する投手を目指す。(金額は推定)

苫小牧漁港で大漁旗を背に笑顔を見せる日本ハムドラフト1位指名の伊藤(撮影・黒川智章)
苫小牧漁港で大漁旗を背に笑顔を見せる日本ハムドラフト1位指名の伊藤(撮影・黒川智章)

伊藤らしく異例の仮契約だった。場所はホテルではなく、苫小牧市の漁港にある建物内。伊藤は「今日、もっと緊張するかなと思ったのですけど、海っていうことで、気持ちが楽にできました」と振り返った。漁港の関係者らとも写真に納まり「海の町で育ったということもあって、海の近くで契約を行うことができてすごくうれしい」と笑顔をみせた。

幼い頃から海を見て育った。鹿部町出身で父はタコつぼ漁師という右腕。同じ太平洋沿いの苫小牧の海は、故郷の海と重なる部分がある。「この時期冷たい風に刺さる感じだとか、すごい似ているなと」。この日、気温1度と寒風吹き付ける海を前に「日本を代表する投手に」とプロ入りへ向けて決意を新たにした。

苫小牧のマルトマ食堂で名物「ホッキカレー」を食べる日本ハムドラフト1位指名の伊藤(撮影・黒川智章)
苫小牧のマルトマ食堂で名物「ホッキカレー」を食べる日本ハムドラフト1位指名の伊藤(撮影・黒川智章)

伊藤にとって海で過ごす時間は貴重なひとときだ。「名前にも入っている通り海ですし、釣りも好きで自分的にはリフレッシュできると考えている」。これまでもオフの日には、趣味の釣りに出掛けることがよくあった。「打たれた時なんかもそうですけど、1回小さいことを忘れて、という時に行くことが多いですね。あれだけ広い海を見ていたら、いかに自分が小さいことで悩んでいるのか」。海を見つめながら、自然と元気をもらっている。

ホッキ貝の漁獲量日本一を誇る苫小牧漁港。漁船をバックに地元産のホッキ貝をボールに見立て記念撮影も行った。ホッキ貝は疲労回復に効果抜群と言われているタウリンや、カルシウムなどのミネラルも豊富で、健康に大切な栄養素もたっぷり含まれている。地元名物ホッキカレーも口にし「おいしかったです」と顔をほころばせた。

苫小牧漁港で「日本一のホッキ貝」を手に意気込む日本ハムドラフト1位指名の伊藤(撮影・黒川智章)
苫小牧漁港で「日本一のホッキ貝」を手に意気込む日本ハムドラフト1位指名の伊藤(撮影・黒川智章)

契約金1億円+出来高、年俸1500万円と球団側の期待は大きい。「1球でも1試合でも多くチームに貢献したいという思いがある。1年目から必要とされる選手でありたい」と誓った。【山崎純一】

(2020年12月1日、ニッカンスポーツ・コム掲載)