19年ラグビーW杯日本代表でトンガ出身のプロップ、バル・アサエリ愛(31=パナソニック)が5日夜、来日時に衝撃を受けた出来事を明かした。

オンラインイベントで笑みを浮かべるバル・アサエリ愛

三菱地所主催のオンライントークイベント「ラグビー世界大会」に出演。視聴者から「初来日した時のカルチャーショックは?」と問われ、15歳で来日したバルは「みんなが財布を持っていたこと。トンガの学生はお金も財布もない。日本人はみんな持っていて本当にびっくりした」と回答した。この発言を聞いた進行役の山田章仁(35=NTTコミュニケーションズ)らも驚きの声を上げていた。

バルは元トンガ代表の父を持ち、5人兄妹の末っ子。12歳でラグビーを始め、トンガの中学校で寮生活を送った。特に食事面で苦労し、毎日タロイモ中心の同じメニューで量が足りず、空腹の日々が続いた。親からたまにもらう小遣いの2パアンガ(約100円)を使って、購買でパン1個を購入し、仲間に隠れて食べるのが至福の時だった。

オンラインイベントに参加したバル・アサエリ愛(右)ら

経済的理由を考慮した父の勧めで、埼玉・正智深谷高時へ入学。大型FWとして2度の全国高校大会出場に貢献した。埼玉工大時代のオフには、深谷市の白菜農家でのアルバイトで月20万円を稼いで大半を実家へ仕送りした。当時、日本テレビ系「ザ!鉄腕!DASH!!」にも出演し、白菜農家の“最強の運び屋”として紹介されるなど競技以外でも注目を集めていた。

家族とラグビーをこよなく愛し、言葉数は少ないが温和な人柄でチームを和ませる。同イベントでも視聴者から「トンガのオススメスポットは?」と聞かれると「海と島」と即答したが、「島は1つも行ったことないから詳しいことは分からない…」とボケを披露するなど終始笑顔で対応していた。

(2020年10月5日、ニッカンスポーツ・コム掲載)