<コロナ禍を乗り越えて:帝京大>

ラグビー大学選手権で3季ぶりの王座奪回を目指す帝京大も3月末に一時解散となり、150人の部員のうち寮に残ったのは、わずか22人だった。

6月から徐々に寮に戻る選手が増え、7月から本格的に練習を再開し、8月10日~30日まで菅平で例年通りの合宿も行った。9月に入ってから他校と2試合、練習試合を行い、公式戦に向けて調整を進めているが、今でも合流していない選手もいる。新型コロナに対する対応は、あくまでも個人の意志を尊重する形で進めている。

残った選手は22人、帰省メンバーとは密に連絡

寮に残った選手は1~4年生まで、ポジションもレベルもバラバラ。「練習メニューは自分たちに任されていたため、感染対策をした上で毎日話し合い、FW、BKごとに決めていきました」とFL松本健留(けんと)主将(4年)。学内の施設は使えなかったが、ウエイト場は学外にあったため、自由に使えた。「残った22人で、非常によくコミュニケーションをとっていた」とWTB神座(かんざ)立樹(4年)も充実した時間だったと振り返った。

帰省した選手ともオンラインミーティングを重ね、離れていてもコミュニケーションは欠かさなかった。6月に戻ってきた選手の体つきがひと回り大きく、頼もしくなっていたのを見て、松本主将は「それぞれが個人の力を成長させて戻ってきてくれた。主将として、すごくうれしかった」と目を輝かせた。

オンライン取材に応えた帝京大の松本主将(左)と神座

練習強度下がり、食事量が減る選手が続出

ラグビー部員は、朝夕は帝京大学スポーツ医科学センター内にある食堂で、昼はグラウンドに隣接したクラブハウスで食事をとっている。そこでは手洗い、うがいは当然のこと、咳エチケットや消毒等を徹底。サラダバーをなくし、箸やスプーンも各自ではとらない形に変更。食事を受け取る際もマスクを着用し、テーブルにはジグザグで座り、黙って食べるスタイルにしている。

帝京大学スポーツ医科学センター内にある食堂。ラグビー部はここで朝夕の食事をとる(帝京大ラグビー部提供)

解散直後は練習強度が下がったこともあり、「動いていないから食べられない」と食事量が減った選手が続出した。同大学スポーツ医科学センター助教であり、チームの管理栄養士でもある藤井瑞恵さんは「食欲に任せ、気分で食べている選手が多かったため、減らしすぎてはダメだよ」と声をかけながら、食事へのモチベーションを上げるため、工夫をこらした。

同大学スポーツ医科学センターでは、ラグビー部と同じく強化部として指定された駅伝競走部、チアリーディング部が食事をするため、メニュー自体は大きく変えられなかったが、少人数となったラグビー部のため、「給食会社にお願いして、できるだけ温かいもの、普段なら既製品を使うメニューを手作りしてもらうなど、食欲がわくように協力してもらいました」(藤井さん)。クラブハウスでは、オムライスや手作りハンバーグ、野菜がトッピングされたカレーなど家庭で味わうようなメニューが提供され、選手のテンションも上がったという。

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